HarleyDavidson - Words


エボリューションV2/キュービックインチ/キューブ/ショベルヘッド/ソフテイル/ナックルヘッド/パンヘッド/フラットヘッド/ブロックヘッド/ローライダー/

Block Head/EvolutionV2/Cube/CubicInch/Flat Head/Knuckle Head/LowRider/Pan Head/Shovel Head/Softail/


パンヘッド Pan Head (HarleyDavidson) 1948-1965

 ナックルヘッドから1948年により進化したOHVエンジンとして発表されたのがパンヘッドと呼ばれるエンジンで、1966年にショベルヘッドに変わるまでのハーレーダビッドソンモデルをVツインのヘッドの形態からこう呼ぶことがある。ナックルヘッドからの最大の変更点はシリンダが鉄からアルミに変わったこと。またオイル流路は一新され、タペットも油圧式になった。1955年にオイルまわりの見直し、カムの変更を受けているが、これは品質の向上した燃料に対応したものだった。
 パンヘッドはヘッドカバーがフライパンを連想させるところからだが、あくまでも単なるカバー。この時代のエンジンはジェネレータによる充電方式。ボア*ストロークはナックルヘッドと同じで、ラインナップも同様1000ccのE系と1200ccのF系。この時代にハーレーは車体開発に力を入れ、1949年にFフォークがスプリンガーからテレスコピックに変わったハイドラグライド、1958年にはリジッドだった後輪側にもテレスコピックを配したデュオグライドを発表する。また1965年にはセル始動を採用したエレクトラグライドが登場。電気系は6Vから12Vへと強化される。


ショベルヘッド Shovel Head (HarleyDavidson) 1966-1984

 1966年にパンヘッドに変わってデヴューしたハーレーダビッドソンモデルをVツインヘッドの形態からこう呼ぶことがある。あるいはそのエンジンを指す。ロッカーアームがショベル(シャベル)に似た形態のヘッドに収められており、それまでのパンヘッドに比べオイルの循環経路が改良された他メンテナンス性も向上した。同時にシリンダは新設計となり燃焼室は拡大、吸排気効率も見直され、パンヘッドに比べ5ps程度のパワーアップが達成されている。
 1969まではパンヘッドのクランクケースを使っており、充電方式もそのままパンヘッド時代のジェネレータによる充電を引き継いでいる。このエンジンないしこれを積んだ車体をアーリーショベル(Early Shovel)もしくはパンショベル(Pan Shovel)と呼ぶ。1970年から充電系はオルタネータ式になりクランクケース形状も変更されている。通常ショベルヘッドといえばこの後期型を指す。排気量は発表当初の1200ccから1978年に1340ccへアップされている。
 これまでハーレーのメインモデルは基本的に同一デザインであったが1963年のメーカー製チョッパーFXを発表。派生モデルの多さもショベルヘッド時代のハーレーの特徴だ。


ローライダー LowRider

 具体的にローライダーと呼ばれる形態の定義はない。ハーレーダビッドソンがファクトリーカスタムとしてローライダーの名を冠する車を世に出したのは1977年のFXSローライダーが最初。


キューブ cube /キュービックインチ CubicInch

 キューブは立方体。ハーレーダビッドソンの車の排気量をこの単位で表すことがある。74キュービックインチが1200cc。80キュービックインチが1340cc。


フラットヘッド Flat Head (HarleyDavidson) 1925(1929)-1974

 2001年現在路上にいるハーレーの最も古いモデルといえるのはフラットヘッドと呼ばれるサイドバルブエンジンを積んだモデル。この技術は1925年に350ccシングルとして始めて採用され、その後1929年に750ccのD系としてVツインへ流用された。翌1930年には1200ccのV系が追加される。サイドバルブはOHVに比べ機構が単純でありこのエンジンに高い信頼性を与えた。フラットヘッドはシリンダヘッドが中に弁機構等を内蔵しない只の蓋であることからつけられた通称。このフラットヘッドは1937年にW系へと進化し数多くの派生モデルが造られた。W系フラットヘッドは後継のナックルヘッドエンジンモデルが1936年に発表された後にも1974年まで並行して生産された。W系フラットヘッドはWWII前まで「陸王」として日本でもライセンス生産されていた。


ナックルヘッド Knuckle Head (HarleyDavidoson) 1936-1947

 1936年に発表されたハーレーのエンジンもしくはその車体をナックルヘッドと分類することができる。「サイドカーを付けてもスピードが出せ、なおかつソロで乗れば日常では不必要なほどの高性能」をコンセプトに開発された。ライバル会社であるインディアンを意識して当時の最先端技術としてOHVを採用。インディアンのフラットヘッドを突き放す結果となった。ナックルヘッドの名称はヘッドの形状によるとも、OHVのロッカーアームを関節にたとえてともいわれている。
 1936年には1000ccのE、ELに搭載。1941年に1200ccとなりF系のルーツとなった。この時代ハーレーダビッドソンは外装デザインにインダストリアルデザイナーを数多く採用しており意匠を凝らした造形が見受けられる。


ブロックヘッド Block Head (HarleyDavidson) 1984-
エボリューションV2 EvolutionV2 (HarleyDavidson) 1984- 

 ハーレーダビッドソン社創立80周年にあわせてショベルヘッドを継ぐ新エンジンとして発表されたのがブロックヘッド。油圧タペットを採用し、スチールだったシリンダバレルがアルミ製となり、エンジンはオールアルミとなった。エボリューションV2と名づけられたこのエンジンが初めて搭載されたのはFXST。カタログでは当然純正オイルが推奨されていたが、オールシーズン対応のマルチグレードオイルはSAE 20W-50で、4000km毎のオイルフィルター(63805-80A)の交換も推奨。


ソフテイル Softail (HarleyDavidson) 1984-

 エボリューションエンジンを積んだFXSTで初めて発表されたシャーシで外見はハードテイル(リジッド)だがRサスペンションが装備される。ソフテイルフレームは多くのヴァリエーションモデルを生むヒット作となった。