HONDA - CR

CRM50 (1988)/CRM80 (1988)/CR125M ELSINORE (1973)/CR125M ELSINORE (1976)/CR125M-III ELSINORE (1978)/CR125R ELSINORE (1979)/CR250M ELSINORE (1972,1973)/CR250M ELSINORE (1975)/CR250R ELSINORE (1977)/CR250R ELSINORE (1978)/CR250R (1979)/CR250R (2003.9)/CRM250R (1989)/CRM250R (1991)/CRM250R (1996)/CRM250AR (1997)

CRM50 (1988)

　水冷2stピストンリードバルブシングル49cc。F17、R14インチながら1240mmのホイールベースを持つ本格ミニトレール。CRベースの2st量販トレールCRMシリーズで最初に発表されたのはこのCRM50/80。CRイメージのデザインでFフォークは35mm径でホイールトラベル275mm、Rプロリンクはリザーバタンク付きのショックを採用しトラベル量は280mm。エンジンには半球型燃焼室に4葉式樹脂リードバルブ、1軸バランサを装備して、鋼管セミダブルクレードルのフレームに搭載。サブフレームはボルトオン式でメンテナンス製を高めている。ブレーキはFシングルディスク、Rドラム。

CRM80 (1988)

　水冷2stピストンリードバルブシングル79cc。CRM50(1988)の80バージョンだがベースモデルはCR80だからこちらが本家になる。50と同様の装備で、ボアが10.5mm広いエンジンは11ps/8500rpmのスペック。乾燥重量はわずか77kg。

CR125M ELSINORE (1973) エルシノア

　空冷2ｓｔシングル　ピストンバルブ124cc。ホンダは125ccクラスも250と同時期1972年から全日本選手権に本格参戦。市販レーサーは250より1年遅れて1973年にデビューした。車体は基本的にCR250M（1973）と共通。点火方式は250のマグネトー式からCDIに変更されている。ミッションは250の5速に対して6速。チャンバー後端に独立したサイレンサー部は持たない。250のカラーがアルミタンク地色のシルバーにグリーンなのに対して125はシルバーに赤。ホイール径は250と同じだがパワーにみあって一回り細いタイヤを履く。エルシノアはカリフォルニア州の街の名前。

CR125M ELSINORE (1976) エルシノア

　空冷2ｓｔシングル　ピストンバルブ124cc。市販モトクロッサー。発表は1975年末。76年モデルの125はまだダウンマフラーだが、この年はパワーアップが計られ、Ｒショックはガス封入式にグレードアップした。リブを大きくとったスイングアームが特徴的。フレームは鋼管シングルクレードル。前後ドラムブレーキ。アクセルワイヤは1本タイプ。

CR125M-III ELSINORE (1978) エルシノア

 空冷2ｓｔシングル　ピストンバルブ123cc。デビューは1974。1978仕様まで基本的に変更無し。エルシノアはカリフォルニア州の街の名前。

CR125R ELSINORE (1979) エルシノア

 市販モトクロッサー。空冷2ｓｔシングル　ピストンバルブ124cc。エンジンはMT125Rに流用されている。エルシノアはカリフォルニア州の街の名前。

CR250M ELSINORE (1972,1973) エルシノア

　空冷2stシングル248cc ピストンバルブ。1971発表のホンダ初のワークスモトクロッサーRC250Mがベースになるホンダ初の市販モトクロッサー。開発コード「335」。1972発表。1973は2型になるが1型からのスペック変更は1kgの重量増。タンクはアルミでその地色がそのまま車体色になる。クランクケースカバーはマグネシウム。フレームはクロモリ鋼管。エキパイはチャンバー構造でエンジン下を取りまわされる。そのためエンジンのアンダーガードはない。タンクキャップはブリーザーパイプ付。ブレーキは前後ドラム。ホイール径はＦ21/Ｒ18。エルシノアはカリフォルニア州の街の名前。

CR250M ELSINORE (1975) エルシノア

 空冷2stシングル248cc ピストンバルブ。市販モトクロッサー。75年モデルは前面新設計で6ポートエンジンを鋼管シングルクレードルのフレームに搭載する。エキパイはシリンダヘッド上からフレーム内側を通るアップタイプに変更。アクセルワイヤは1本タイプ。ブレーキは前後ドラム。

CR250R ELSINORE (1977) エルシノア

　空冷2stピストンバルブシングル247cc。市販モトクロッサー。エンジン、車体ともに新設計となり33psから37psへ+4psの出力アップ。サスストロークも伸ばされ、フォークブーツを標準装備、Rショックは従来のスイングアーム式だがスイングアームピボット上へ向けて大きくレイダウンされプログレッシブ効果を狙った。キックは左、ドライブチェーンは右出しになる。エンジンは車体ともども赤く塗られており、カタログコピーは「赤い弾丸」。フレームは角型断面鋼管を使ったダイヤモンドタイプで、スイングアームも同様の角型断面材を使用した。

CR250R ELSINORE (1978) エルシノア

市販モトクロッサー。空冷2stシングル　ピストンバルブ247cc。フレームはクロモリ製。ブレーキパネルはマグネシウム。ホイールトラベルは前300mm　後280mm。リヤサスはレイダウンした2本ショック。当時のホンダモトクロッサーは赤いエンジンを抱えていた。チェーンは右。キャッチコピーは「赤い弾丸」。エルシノアはカリフォルニア州の街の名前。

CR250R (1979)

　市販モトクロッサー。空冷2stシングル　ピストンバルブ247cc。スペックで見るとアライメントが若干見直されているようだが1978モデルと基本的に変更はない。

CR250R (2003.9)

　水冷2stクランクケースリードバルブ シングル 249.3cc。2003年9月24日発売のモトクロッサー（発表は2003年6月23日CRF450Rと同報）。2004年モデル。公道走行不可。フレームはアルミツインチューブ。主な変更点はスロットルセンサ付のキャブレタの採用と、前後サスペンションユニットの設定変更、クラッチケーブル調整を容易にする大型アジャスタの採用。またハンドルバーにはレンサルのアルミハンドルを標準装備する。この他エンジンは排気ポートと吸気通路の形状変更、リードバルブの変更を受けている。もちろんスロットルセンサの採用によりRCバルブ、点火タイミングの制御も見直されている。

　足回りではフロントサスペンションにスライドパイプの内面側ホーニング加工を施しフリクションロスの低減をはかっているほか、減衰力特性の変更が行われている。ホーニング加工はワークスレーサーよりのフィードバック。後輪のショックユニットではダンピング特性の変更を受けている。前輪フォークは倒立式でクッションストローク量は315mm。後輪はプロリンクでアクスルトラベル314mm。ブレーキは前後とも油圧式シングルディスク。外観的にはフロントゼッケンとFフェンダーに新デザインを採用する。カラーリングはエクストリームレッドのみ。2003年の国内年間販売計画は100台。メーカー希望小売価格は\619000-（沖縄は\8000-高）。

CRM250R (1989)

　水冷2stクランクケースリードバルブシングル246cc。モトクロッサーCRのテクノロジーをフィードバックした2stレプリカモデルとして1989年ブランニュー（CRMシリーズとしての最初の発表は前年1988年のCRM50/80になる）。エンジンには排気デバイスRCバルブを装備。鋼管セミダブルクレードルはサブフレームをボルトオンとして整備性の向上を図る。給油口直前まで延長されるシート、スムーズなポジション移動を可能にするスリムなラジエータシュラウドを装備するオールレッドのデザイン。シュラウドには89年から新デザインとなったウィングマークが描かれる。後輪のプロリンクを支えるRショックユニットは調整式リザーバータンク付きで、前後のホイールトラベルはともに280mmを確保する。F21、R18インチでブレーキは前後シングルディスク。後輪ディスクは角型断面アルミスイングアーム上側になるキャリパ手前に樹脂プロテクタを装備して泥詰まりなどキャリパへの噛み込みを防止する。チェーンテンショナはスネイルカム式。一応二名乗車仕様だがタンデムステップはサブフレームにスクーターのキックペダルを直付けしたもの。ブッシュガードを標準装備。

CRM250R (1991)

　水冷2stクランクケースリードバルブシングル246cc。1991年モデルチェンジ。フレームや車体デザインはそのままだがエンジン、足回りを見直されている。市販モトクロッサーCRとのパーツの共有化が図られ、ラジエータや前後シングルディスクブレーキなどが共通とされた。エンジンは排気デバイスRCバルブをデジタル制御としたPGM-RCバルブを採用し、ミッションはクロスレシオ化。リザーバタンク付きのRショックユニットは換装され、Fフォークは倒立フォークとなった。

CRM250R (1996)

　水冷2stクランクケースリードバルブシングル246cc。オフレプリカとしてエンジンスペックはメーカー自主規制値の40psを8000rpmで発生。F21、R18インチホイールに前後シングルディスクブレーキを装着。後輪アルミスイングアーム+プロリンクでショックユニットはリザーバタンク付き、フロントは倒立式サスペンション。ブッシュガード、Fフォークインナーチューブガードを標準装備。チェーンテンショナはスネイルカム式。

CRM250AR (1997)

　水冷2stクランクケースリードバルブシングル249cc。97年CRM250はボアを0.4mm広げ、税制の限界ギリギリの249ccとされたエンジンは革新的な2ストローク技術であるAR燃焼を実現する初の量販車。2stのパワーを損なわず排出ガスのクリーン化と燃費の向上を目指す。車体は基本的にそのままで重量等のスペックも変わらない。シートは表皮の裁断が変わりXRシリーズと同様のツートンになった。