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Stradale (1991)

Stradale (1991) ストラダーレ

   空冷4stSOHC4バルブ(RFVC)シングル644cc。ホンダNX650 ドミネーターのパワーユニットを搭載する単座スポーツでコンセプトは「Fan to Ride」。エンジンはオイルクーラーの追加とディフューザータイプの2本出しサイレンサがオリジナルとなるほかは基本的にノーマルだが、ラインナップにはバリエーションが豊富。サイレンサはアルミ製で日本仕様専用設計。エキパイ自体はブラックアウトされたノーマル。キャブレタやエアクリーナボックスもノーマル。フレームは32mm*32mmのコロンバス製角型断面クロモリ鋼管をツインスパー状に組んだメインチューブと、ジュラルミンで作られるスイングアームピボットまわり支持プレート（アップライトと呼ばれる）の組み合わせ。メインチューブへの角型断面材の使用はセーガレ車では初めてになる。ステアリングヘッドパイプはアジャスターカラーを上下1セットで内蔵し、これを180度回転させることでキャスター角を変更可能。1セットで180度と360度の2種類のみだが設定可能範囲自体は23度から27度。シートレール部分はアルミ製でメインチューブとアップライトにボルトオン。後輪支持はアルミ角型断面材によるスイングアームで下側のリンクでRモノショックユニットを支持する。変わったところではエンジン下を2本の穴開きプレートが走り、このパーツがアップライト下端を回転軸に前側でエンジンをクランク前下端で支持、後ろ側でRショックのリンクの一方を指示してフローティングされている。エンジンのマウントは5箇所でドミネーターと同じ。オイルクーラーはダウンチューブに沿って縦に設置されている。

　Fフォークは倒立式でフォルセライタリア製の40mm径。伸び側減衰のみ19段階で調整可能。ボトムケースにはキャリパマウントの穴が4箇所あり、標準装備の320mm径フローティングディスクのほか280mm径も装着可能。両側とも同じ仕様でダブルディスク化も可能。ノーマルではFシングルディスクにブレンボ同径4ポットキャリパの組み合わせ。左側ボトムケースのキャリパステーは前輪右側車軸から取るスピードメーターケーブルの位置決めに使われている。Rブレーキはブレンボ製2ポットキャリパをフローティングし、220mm径シングルディスクもフローティングマウント。前後アクスルには中空加工が施される。Fフェンダーはボトムケースから伸びるパーツで支持される変則的なデザイン、Rフェンダーはスイングアームにマウントされる。Rショックはリザーバータンク付きのチュリアーニ製。そのままレプリカフォルムのフルカウルで極々低いトップカウルにビルトインされるヘッドライトはセヴ製の角型1灯。カウルマウントのミラーはビタローニ製。メーターはドミネーターのものをそのまま流用するがボディマウントではなく、トップブリッジにマウントされる。ステアリングヘッド後方、フレームの間にアルミのオイルタンクを備え、タンク前にその給油口がのぞく。ホイールはF3.00-17、R4.00-17のマルケジーニ製3本スポークキャストホイール。OEM装着のタイヤはミシュラン ハイスポーツラジアルフロントTX11 120/60ZR17、リアTX23 150/60ZR17。

　この車両には当時ヨーロッパで盛んだったSOS（Sound Of Singles）シングルレースを目してレーサーバージョンであるコルサなどのバリエーションモデルが用意された。ラインナップには、この668ccコルサ、ベーシックモデルのほかに、チューニングバージョンであるヴェローチェ、400ccモデルがある。またアリアス製鍛造ピストンを組み込み圧縮を上げた仕様が\2090000-で用意されるなどカスタマイズが可能だったようだ。

**参考文献  bikers station No.52 1992/1 (株)遊風社