QA50K2  -1974- 1/2 with Z50R
Manufactured by honda
ownerMr.Sakata

 QA50は1970.9.1の初期型発売から1975年まで生産されたキッズバイクで、K2はその3世代目にあたる。後輪リジッドマウントのモンキーをベースとしている車体はいかにもしっかりしたもので、2003年現在でもWebで探せば美しいカスタム車両を簡単に見つけることができるほど根強いファンを獲得している。この頁は滋賀県の坂田氏の協力により構成したものでピンクベースにした部分がオーナー坂田氏よりいただいたコメント。5歳の娘さんのために入手された車体はとても美しくレストアされ、これからますます楽しい思い出を提供してくれることと思う。そういった家族の中に浸透していける存在はキッズバイクならでは。
 特徴のある形状のタンクをクロムメッキのモールがぐるりと囲む。タンクは上下2分割のプレスによるものと思われる。K0からK3までタンク形状とロゴなどが各々異なるので見分けるポイントになる。ホンダの初期型カタログによれば無給油で100マイル走るそうだが。

 またこの写真ではブリッジの構造も見て取れる。特徴的なのは中央1箇所で支持されるハンドルバーであろう。このハンドルポストは楕円断面の管状のパーツに上からフタをするつくりになっており、ハンドルバーはその管状のパーツに開けられた穴を通されている。従来のように上下からハンドルバーをクランプする構造ではない。したがってブリッジが溶接されているこのハンドルバーを外すことは不可能で、バー自体もポジション固定のためポスト内側から溶接されているのではないかと推測する。ご覧の通り通常ハンドルポスト上面に2本並ぶボルトは前側1本のみ。初期型K0ではこのハンドルポスト上面のボルトにノブが付いており、このボルトを引き抜くことによりハンドルバーをステムを中心にまわすことができる機構、"Swivel-Lock handlebars"が採用されていた。このK2(K1以降)ではノブが省略されておりこの収納のための可動機構は廃止されている。トップブリッジを貫通するワイヤはキルスイッチのケーブル。
 誰しも疑問に思うであろうそのモノポストを坂田氏に頼んで追加撮影してもらったのが左の2ショット。ステアリングステムが突き出しを長く取るよう設計されており、固定に一役かっているのがわかる。ハンドルポスト前側のボルトは薄くシンプルなトップブリッジを貫通している。ボトムブリッジは最低限の面取りでさらにシンプル。フレーム側のハンドルストッパは直接ボトムブリッジのエッジに当たる構造。ボトムブリッジにはFブレーキワイヤの通る穴が開けられているがご覧のとおり穴は左側にも開けられている。軽量化でも強度の問題でもないとすれば生産性の理由によるものか?(左右同じに穴が開いていればこのパーツの場合、ステムが溶接されるまで裏表もなくなる)
 モノポストの上蓋を開けて撮影していただいた。ハンドルバーはご覧のように完全に固定されるツクリになっている。右の写真はタンクの後ろ側の固定部分。フレームに設けられた台座と厚手のゴムバンドによる固定。レストアにあたりタンクは塗装の再現が難しかったため現状維持としたとのこと。
 右がQA50、左は並べられたZ50R。それぞれのハンドルまわりの造形。QA50のシンプルな仕事場からストライプをあしらったフェンダーがよく見えそう。Z50Rの方がレーシーではあるが、QA50の見せる風景はなかなか洒落ている。スイッチは右手元にキルスイッチのみ。ブレーキレバー端の球の部分にゴム塗装が施され、なかなか小さなライダーに優しい。グリップラバーのパターンもリブが深く、小さな握力でもホールドしやすくまた振動を伝えにくいデザインのものを採用。(Z50Rのグリップデザインは当時のホンダ車両によく採用されていたデザインのようだ。)
 ハンドル切れ角悪し、、、よく切れるように見えますが、、、×
Z50Rと並べれば一目瞭然、ハンドルバーの角度が、かなり違う、、、この差が、タイヤ1回転もしないうちに、体感できます。
 Fフォークは倒立式のテレスコピック。摺動部にはブーツが巻かれ、ソフトな印象をアピールする。樹脂製の深いフェンダーは初期型K0のみタンクと同色。以降のモデルではご覧のようなストライプが貼られる。タイヤは4-PLY 4.00-5インチ ノビータイヤでブリヂストン。キックが右側になるのは普通だが燃料コックが右にあるのはそうでもない。。?そのコックの後ろを斜めに突っ切っているのはRブレーキワイヤー(左上の写真では向こう側にZ50Rが隠れて写っている)。右上の写真でシンプルなボトムブリッジとフレーム側ハンドルストッパーがよく見える。ブレーキワイヤーのアウターのストッパはフォークのボトムに溶接され、一緒にメッキ仕上げ。その3角形がちょっとアクセントになっている。
↑ フェンダーは、深い!
 こちらはシートの裏を後ろから撮ったカット。シート後ろにはHONDAのロゴがプリントされている。シートはベースプレートに溶接されたプレートによりメインチューブに左右4箇所でボルトオン。QA50は初期型(K0)と2型(K1)以降でシート形状およびそのマウント位置が大きく異なる。シート下に工具が2点のはずだがこの写真の時点ではレンチ奥のクリップに留められるはずのエアバルブエクステンションが欠品。フレーム下に吊られている黒い円筒はイグニッションコイル。
 シート下に、プラグレンチと、空気入れジョイントがつきますが、空気入れジョイントがありませんでした。
 (ヤフオクで、Z50Mのものを入手済み)
  ←シート裏に留められた車載工具2点。上がシート前側、空気入れジョイント。下が右画像でも見えているプラグレンチ。
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