HONDA - MD


MD-50 K0 (1973/11-)/MD-50 V (1997)/MD-70 K0 (1973/11-)/MD-70 V (1997)/MD-90 X (1999)/MD-125 K5 (1975/7-)/お薦めリンク


MD (郵政カブ)

 HONDAは1967年頃から、当時のC-90をベースに大型特製フロント&リアキャリアを装備した車両C90Zを旧郵政省に納入していたが、1971年2月に郵政専用の特別仕様車MD-90(K0)を鈴鹿製作所の生産ラインで製造開始。それは地域、年間を通じてさまざまな条件下で重い荷物を積み、細かなストップ&ゴーで酷使される郵便事業用途に特化して補強を施された車であり、現場の声を集めた郵政省から直接持ち込まれた要望に応えた最初の車だった。MDとはMail(郵便)Delivery(配達)の略。MDシリーズには50/70/90/125cc(125はパラツイン)の4種のエンジンがあるが、最初のベース車は旧C-90とアメリカ向けのCT-90を選択合成したもので、フロントにテレスコピックフォークとアップハンドルを採用。ハンドルは剛性の高いバーハンドルとされた。当時はCDのフェンダーを装着し、前後とも17インチタイヤ、荷物により光が遮られるのを避けて特製フロントキャリアの前に設置されたプレスカブのような形状のヘッドライト、大型リアキャリアを装備していた。その後、乗降時の動きやすさ&重積載時の低重心の安定性の為に2.75-14前後タイヤを装備、またATC-110系にいち早く装備されていたCDI点火をカブ系他車に先駆けて採用。振動係数の軽減の為のハンドルウェイトの装備、12V電装化、別体の専用タンクの装備、キャブレターヒーターの装備など、現在も進化を続けている。1981年に寒冷地向けとして採用されたグリップヒーターはやはり現場の声から生まれたオリジナル装備だった。最近では、安全面からのヘッドライト常時点灯、耐パンク対策としてチューブ内にパンク防止剤を注入したタフアップチューブの採用、そして国内新排気ガス規制適合化に向け開発が進められている。エンジンにも通常モデルに比べ耐久性をあげ、中低速域を充実させる工夫が施されており、圧縮比の見直し、特別なピストンリングの採用、クランク軸受部の大型化、ミッションの素材変更などを受けている。そのほかの特別装備としては取り付け位置(すなわち傾斜角)をボルトオンで2通りに変更できる大型サイドスタンドや前輪をロックするパーキングブレーキ、燃料タンクに付く燃料計、素材を変更され耐久性を上げたブレーキドラム、防振性を高める鋼板を内蔵した厚いシート、油圧式Rサスペンション、雪が詰まるのを防止するためにクリアランスを調整可能な鋼板製Fフェンダーなどがある。またグリップとしての使用も考慮された大型リアキャリアは集配用と貯保(郵便貯金、保険)用で仕様が異なる。

 郵政カブは原則として5年で退役とされ、その後「再生資源二輪中古車の売り払い」として(「払い下げ」とはいわないらしい)、登録業者を対象とした年2回全国13ブロックで行われる競売により民間へ流れることになる。そのほとんどは東南アジアやアフリカなどの海外へ輸出されるが、国内での個人向け販売を行っている業者もあるようだ。カラーリングは郵政レッドの特別色であり、個人使用におけるこの色での走行は認められていない。そのため民間へおろされる際はスプレーなどで塗色が隠される(というより汚される)のが通例となっている。

 文協力及びMDシリーズの資料提供:CLUB121主催 松岡氏  http://members.jcom.home.ne.jp/matsu43/
** 松岡氏提供によるMD50/MD70/MD90シリーズのスペック表へのリンク **


** CLUB121主催 松岡氏  http://members.jcom.home.ne.jp/matsu43/提供によるMD50シリーズのスペック表へのリンク **

MD-50 K0 (1973/11-)

 1971/3のMD-90登場に遅れること3年弱、第一種原付免許所持者が乗れるよう、また軽量積載の保険業務に対応させるべく1973/11に兄弟車MD-70 K0とともに発表。


MD-50 K1 (1976/10-)


MD-50 A (1980/3-)


MD-50 B (1980/12-)


MD-50 C (1981/11-)


MD-50 D (1982/12-)


MD-50 F (1984/11-)


MD-50 H (1987)


MD-50 P (1992)


MD-50 V (1997)

 スペックを見ると車格は70/90と共通。90と70はトレールが若干異なるが50は70と同じ車体のようだ。軸間距離が70に比べ5mm短い。1996年のスーパーカブ50デラックスの出力4.5ps/7000rpmと比較して3.8ps/7000rpmと出力を抑えられている。

発売 1997 全長 1820mm 全幅 705mm 全高 1095mm 軸間距離 1190mm シート高 - 最低地上高 135mm 重量 -kg 乾燥重量 93(?)kg 整備重量 - 空冷4サイクルSOHC2バルブ単気筒 49cc ボア*ストローク 39.0*41.4mm 圧縮比 9.5 最大出力 3.8ps/7000rpm 最大トルク 0.41kg*m/5500rpm 始動方式 キック 潤滑方式 ウェットサンプ 点火方式 CDI プラグ CR5HSA/CR6HSA キャブレタ PB60 クラッチ 湿式自動遠心多板 3速 変速比 3.272/1.823/1.190 1次減速比 4.058 2次減速比 2.928 フレーム バックボーン(プレス+パイプ) キャスター 26.00度 トレール 64mm BrakeF ドラム BrakeR ドラム Sus F テレスコピック Dumper F - Sus R スイングアーム Dumper R - Tyre F 2.75-14 Tyre R 2.75-14 タンク容量 5L オイル容量 0.8L バッテリ 12V3Ah 登坂力 -度 定地燃費 -km/L 車両価格 \-(1997)  japan

MD-50 X (1999)


** CLUB121主催 松岡氏  http://members.jcom.home.ne.jp/matsu43/提供によるMD70シリーズのスペック表へのリンク **

MD-70 K0 (1973/11-)

 1971/3のMD-90登場に遅れること3年弱、第一種原付免許所持者が乗れるよう、また軽量積載の保険業務に対応させるべく1973/11に発表されたMD-50 K0とともに発表。


MD-70 K1 (1976/10-)


MD-70 A (1980/3-)


MD-70 B (1980/12-)


MD-70 C (1981/11-)


MD-70 D (1982/12-)


MD-70 F (1984/11-)


MD-70 H (1987)


MD-70 P (1992)


MD-70 V (1997)

 70cc郵政カブ最終型。スペックを見ると車格は50/70/90ともに共通。90に比べ70はトレールが4mmだけ短い。エンジン重量の違いによる前輪荷重の相違のためと推測される。70は軸間距離も90と同値。

発売 1997 全長 1820mm 全幅 705mm 全高 1095mm 軸間距離 1195mm シート高 - 最低地上高 135mm 重量 -kg 乾燥重量 93(?)kg 整備重量 - 空冷4サイクルSOHC2バルブ単気筒 71.8cc ボア*ストローク 47.0*41.4mm 圧縮比 8.8 最大出力 5.2ps/7000rpm 最大トルク 0.58kg*m/6000rpm 始動方式 キック 潤滑方式 ウェットサンプ 点火方式 CDI プラグ CR5HSA/CR6HSA キャブレタ PB65 クラッチ 湿式自動遠心多板 3速 変速比 - 1次減速比 - 2次減速比 2.571 フレーム バックボーン(プレス+パイプ) キャスター 26.00度 トレール 64mm BrakeF ドラム BrakeR ドラム Sus F テレスコピック Dumper F - Sus R スイングアーム Dumper R - Tyre F 2.75-14 Tyre R 2.75-14 タンク容量 5L オイル容量 0.8L バッテリ 12V3Ah 登坂力 -度 定地燃費 -km/L 車両価格 \-(1997)  japan

** CLUB121主催 松岡氏  http://members.jcom.home.ne.jp/matsu43/提供によるMD90シリーズのスペック表へのリンク **

MD-90 K0 (1971/3/15-)


MD-90 K1 (1972/8-)


MD-90 K2 (1977/11-)


MD-90 A (1980/3-)


MD-90 B (1980/12-)


MD-90 C (1981/11-)


MD-90 D (1982/12-)


MD-90 F (1984/11-)


MD-90 H (1987)


MD-90 P (1992)


MD-90 V (1997)


MD-90 X (1999)

発売 1999 全長 1820mm 全幅 705mm 全高 1095mm 軸間距離 1195mm シート高 - 最低地上高 135mm 重量 -kg 乾燥重量 102kg 整備重量 - 空冷4サイクルSOHC2バルブ単気筒 89cc ボア*ストローク 50.0*45.6mm 圧縮比 8.8 最大出力 6.5ps/6500rpm 最大トルク 0.76kg*m/5500rpm 始動方式 キック 潤滑方式 ウェットサンプ 点火方式 CDI プラグ BR6HS キャブレタ PB5F クラッチ 湿式自動遠心多板 3速 変速比 2.538/1.705/1.045 1次減速比 3.722 2次減速比 2.714 フレーム バックボーン(プレス+パイプ) キャスター 26.00度 トレール 68mm BrakeF ドラム BrakeR ドラム Sus F テレスコピック Dumper F - Sus R スイングアーム Dumper R - Tyre F 2.75-14 Tyre R 2.75-14 タンク容量 5L オイル容量 0.9L バッテリ 12V3Ah 登坂力 -度 定地燃費 -km/L 車両価格 \-(1999) japan

MD-125 K5 (1975/7-)

 郵政レッドに塗られた郵政用機動車として発表。90ccまでの郵政仕様車とは異なりパラツインエンジンを積んでおり、カブシリーズとは趣きを異にするがMDシリーズの車名を冠する。MDがMail(郵便)Delivery(配達)の略であることを考えると不自然ではない。業務用途であり単座仕様で、大型リアキャリアとレッグシールドを装備する。

発売 1975/7- 全長 1970mm 全幅 760mm 全高 1040mm 軸間距離 1280mm シート高 - 最低地上高 145mm 重量 -kg 乾燥重量 133kg 整備重量 - 空冷4サイクルSOHC横置並列2気筒 124cc ボア*ストローク 44.0*41.0mm 圧縮比 9.4 最大出力 12.0ps/10000rpm 最大トルク 0.9kg*m/8500rpm 始動方式 セル/キック 潤滑方式 - 点火方式 バッテリ プラグ D6HS キャブレタ 739A クラッチ - 変速機 - 変速比 - 1次減速比 - 2次減速比 - フレーム - キャスター -度 トレール -mm BrakeF ドラム BrakeR ドラム Sus F テレスコピック Dumper F - Sus R スイングアーム Dumper R - Tyre F 3.00-17 Tyre R 3.00-17 タンク容量 9.5L オイル容量 1.1L バッテリ 6V12Ah 登坂力 -度 定地燃費 -km/L 車両価格 \-(1975/7-)  japan

お薦めリンク

http://members.jcom.home.ne.jp/matsu43/ CLUB121 121はホンダ内で郵便Cubを示す類別機種番号。実用的な改造記事は圧巻! BBSも活発です。

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