SUZUKI - Colleda


Colleda CO (19-)/Colleda COX-1 (1955)/Colleda CPX-2 (1955)/Colleda SelTwin SB (1959)/Colleda 125 SH (19-)/Colleda 125 SL (1962)/Colleda ST1 (19-)/Colleda ST2 (1956)/Colleda ST3 (1957)/Colleda ST5 (1958)/Colleda ST6A (1959)/Colleda 250 T-10 (1963)/Colleda 250TA (19-)/Colleda 250TB (1960)/Colleda TwinAce 250TC (1963)/Colleda TM (1958)/Colleda TP (1957)/Colleda TT (1956)


スズキ初期のメインストリームはこのコレダシリーズ。極初期はCから始まる型番のモデルで1956年くらいから125ccがS、250ccがTで始まる型番と分類されていた。


Colleda CO (19-)

 空冷4stOHV シングル 90cc。バイクモーターに続いて完成車の販売へステップアップを図った鈴木式織機株式会社の初の4stコンプリート車。4stの採用は法規枠内で2stより大きな排気量が設定できたためで、90ccエンジンをプレスフレームに搭載した。最高出力は4psで自動進角装置の付いたフライホイールマグネトー点火を採用。スピードメーターを国産量販車としてはじめて採用した。


Colleda COX-1 (1955)

 空冷4stOHV シングル 90cc。コレダCOの後継車として1955年発表。チャンネルフレームに4stシングルエンジンを搭載。マフラーは後端に飾りの付いたフィッシュテール風。後輪懸架はプランジャー式。前輪はテレスコピック。一人乗り仕様でサドル式シート後ろにはキャリアを装備。変速機は3速。48*50mmサイズのシリンダから4.0ps/5000rpmを発生した。タイヤサイズは前後とも24*2.70。兄弟車に排気量を125ccにアップしたCPX-2 (1955)があった。


Colleda CPX-2 (1955)

 空冷4stOHV シングル 125cc。コレダCO発表後の道交法改正で新たに区分された原動機付自転車第二種に対応したコレダCO型の後継車COX-1のボアアップモデル。


Colleda SelTwin SB (1959) セルツイン

 空冷2stパラツイン 125cc。これまでのスズキ125ccクラスはシングルエンジンのSTシリーズだったが、1959年新設計ツインエンジンを搭載したこのSBからツインモデルもラインナップされることとなった。フレームはバックボーンで前輪ボトムリンク、後輪懸架スイングアーム+2本ショック。角型ヘッドライトを覆うナセルからメッキタンク、サイドカバーまで流れる線を意識したデザインはジェットラインと呼ばれ注目を集めた。エンジンはボア*ストローク42*45mmシリンダを前傾して搭載し、組み合わせるミッションは4速。スペックは10ps/8000rpm、0.98kg*m/6000rpmと1959年のST-6Aの8.0ps/4000rpmを上回る。始動はセルとキックの併用式。前輪懸架はテレスコピック、後輪はスイングアーム+2本ショック。大径ドラムブレーキを装備するホイールは前後2.75-17。シングルシート+Rキャリアの構成で、レッグシールドを標準装備する。ドライブチェーンの取り出しは左側でフルカバードのチェーンケースを採用する。公称最高速度110km/h。このエンジンはこのあとS30S31 (1963)へ発展する。


Colleda 125 SH (19-)

 空冷2stシングル 124cc。タンクとサイドカバーをつながる線でデザインしたジェットラインを採用したモデル。フレームはプレスバックボーン。ビジネスモデルとしてこのデザインが不評だったため1962年に125SLへデザイン変更された。


Colleda 125 SL (1962)

 空冷2stシングル 124cc。ジェットラインを採用した125SHが不評だったため従来どおりのデザインに変更して発表されたのが125SL。メッキタンクは角張ったデザインに戻された。エンジン特性も低速向けに見直されており、スペックは8.0ps/6000rpm、1.10kg*m/4000rpm。ミッションは4速。プレス鋼板によるバックボーンフレームで前輪懸架はテレスコピック、後輪支持はスイングアーム+2本ショック。シングルシート+大型キャリアの組み合わせ。レッグシールドを標準装備。


Colleda ST1 (19-)

 空冷2stシングル 125cc。コレダCOと並行して開発された原動機付自転車第二種対応モデル。鈴木式織機(株)は排気量が同じなら構造の簡単な2stの方が主流と考えており、このあと同社は1976年のGS400/750発表まで2stモデル専門メーカーとしてラインナップを拡充していく。ST1の最高出力は5.5ps。耐久性と低騒音で品質をアピールしたこの車はヒット商品となった。


Colleda ST2 (1956)

 空冷2stシングル 123cc。Fテレスコピック、Rプランジャー式。サドル型シートを採用しRフェンダー上に大型キャリアを装備。翌1957年発表のST3と基本構成はほぼ同じ。


Colleda ST3 (1957)

 空冷2stシングル 123cc。コレダST2 (1956)のエンジンを見直し7ps/5500rpmを発生。ミッションは3速。車体はST2とほぼ共通だがコレダTT (1956)イメージの大型ナセル付きヘッドライト(通称ドクロライト)を採用。リムサイズは前後とも24*2.75。懸架方式はFテレスコピック、Rプランジャー。公称最高速度は85km/h。


Colleda ST5 (1958)

 空冷2stシングル 123cc。1958年発表のST5で、STシリーズは車体に大幅な変更を受けており、フレームはプレスによるクレードル式に、後輪懸架はプレススイングアーム支持の2本ショックになった。エンジンスペックは7.5ps/5500rpmで従来のSTシリーズの流れを汲むもの。左出しのチェーンはフルカバードとされた。ミッションは3速。ホイールサイズは前後24*2.75。フロントブレーキドラムが大径化されており制動力が強化されている。公称最高速度は85km/h。


Colleda ST6A (1959)

 空冷2stシングル 123cc。1959年は同社125クラスにツインエンジンのSBが加わり、デザイン面でも飛躍の年となっている。単気筒のSTシリーズもエンジン、フレームとも新設計され実用車としてのベースをそのままとしながらも新鮮なデザインを提供した。タンクに入れられたSマークのロゴは1958年のコレダTMより採用されたもので以降発表のモデルに順次採用された。エンジンは大型のフィンを採用するヘッドを持つシリンダを前傾して搭載する。出力はST5 (1958)の7.5ps/5500rpmに対して8.0ps/4000rpm、1.07kg*m/4000rpm。組み合わせるミッションは3速。クランクケースカバーはスクエアなデザインで右出しのフルカバーチェーンケースと接続される。フレームはプレスによるバックボーンでRフェンダー上にキャリアを設置する構成は従来のSTシリーズ通り。角型ヘッドライトナセルのサイドとRフェンダーサイドにウインカを直付けするデザイン。前後24*2.75のホイールサイズはST5と同値。公称最高速度は90km/h。


Colleda 250TA (19-)

 空冷2stパラツイン 246cc。前後連動油圧式ドラムブレーキシステムを搭載した実用車。フレームはプレスによるバックボーンタイプで前輪懸架はボトムリンク、後輪支持はスイングアーム+2本ショック。1960年にスポーツモデルとしてアレンジされた250TBが発表された。


Colleda 250TB (1960)

 空冷2stパラツイン 246cc。250TAをスポーツモデルとしてリメークしたモデルでプレスバックボーンの基本骨格は同一。フェンダーやヘッドライトまわりなどを軽快にアレンジした他、ツートンのダブルシートを採用。マフラー後端を絞ったテーパーカットマフラーを採用するなど見直されたエンジンは20.0ps/8000rpm、1.9kg*m/6000rpmへスペックアップされている。ミッションは4速。始動はセルのみ。セルツインSB (1959)で注目を集めたタンクとサイドカバーをつなぐイメージのデザイン、ジェットラインを採用。前後3.00-17サイズのホイールにはホワイトリボンタイヤを装着する。250TAのポイントだった前後連動油圧ブレーキはTBでは採用されず、前輪ワイヤー式ドラム、後輪油圧式ドラムブレーキとなっている。前輪懸架はボトムリンク、後輪支持はスイングアーム+2本ショック。レッグシールドを標準装備。モールが入るダブルシートの後ろ、フェンダー後部に簡単なキャリアを装備する。公称最高速度は140km/h。


Colleda TwinAce 250TC (1963) ツインエース

 空冷2stピストンバルブ パラツイン 246cc。250TB (1960)の後継車だが、同1963年にT-10へモデルチェンジ。販売期間は極わずかだった。バックボーンフレームに搭載するエンジンはTBから受け継ぐもので20.0ps/8000rpm、1.9kg*m/6000rpmのスペックもTBと同値。前輪懸架方式はボトムリンクからテレスコピックに改められており、これにともないヘッドライトまわりの造形も異なる。タンク、サイドカバーまわりのデザインはジェットラインから離れ、それぞれ独立したスクエアなデザインを採用。厚いシングルシート+大型Rキャリアの構成でレッグシールドの標準装備はない。前後3.00-17のホイールサイズもTBから変わらず、OEMタイヤにはホワイトリボンタイヤを採用。後輪ドラムブレーキが油圧式なのはTBと共通の装備。始動はセル/キック併用式でミッションは4速。公称最高速度140km/h。


Colleda 250 T-10 (1963)

 空冷2stピストンバルブ パラツイン 246cc。コレダTCの後継として1963年発表。浅いフェンダーを採用したスポーティなデザインが特徴的だがジェットラインは採用されておらず、タンク、サイドカバーまわりなどオーソドックスなスタイル。前輪懸架はテレスコピック、後輪支持はスイングアーム+2本ショック。モールが入るダブルシート後方には小さなキャリアを標準装備。ヘッドライトは丸型だが下側ラインが水平にカットされた異形タイプ。バックボーンフレームに吊るされるツインエンジンは22ps/8000rpm、2.1kg*m/7000rpmにスペックアップされ、4速ミッションと組み合わせられる。始動はセル/キック併用式。ホワイトリボンタイヤをOEM装着するホイールは前後とも3.00-17。公称最高速度140km/h。


Colleda TM (1958)

 空冷2stパラツイン 247cc。コレダTP (1957)のパワーユニットを搭載したビジネスモデルでエンジンスペックは同一の18ps/6000rpm。車体はFテレスコピック、Rプランジャ懸架のチャネルフレーム。サドルタイプのシートに大型Rキャリアを装備。ヘッドライトにはTPと似たような形状のナセルが付くがハンドルはプレスに変わっている。タンクに設けられたメーカーロゴはこの車よりSマークとなった。公称最高速度130km/h。前後3.00-18サイズ。販売価格はTPの\205000-に対して\159000-だった。


Colleda TP (1957)

 空冷2stパラツイン 247.3cc。コレダTT (1956)の低価格仕様として外装が簡素化されたモデルだが、フレームから新設計されている。ヘッドライトナセルのメッキが塗装になり、タンデムシートとテールフィン状のRウインカホルダが省略されている。タンクの意匠も異なる。フレームは鋼管ダブルクレードルで懸架方式はTTと同様、Fアールズフォーク、後輪はスイングアーム+2本ショック。54*54mmのスクエアエンジンはTTと基本的に同一で出力は18ps/6000rpm。公称最高速度は130km/h。TPの名称のPはポピュラーの意でTTの\235000-に対して\205000-だった。シングルシート仕様で、Rフェンダーの上にはキャリアを装備。


Colleda TT (1956)

 空冷2stパラツイン 247.3cc。鈴木式織機初のツインエンジンを搭載したスポーツモデル。54*54mmのスクエアシリンダから16ps/6000rpmを発生。ミッションは4速。車体はバックボーンフレームにアールズフォークの組み合わせで後輪懸架はスイングアーム+2本ショック。前後3.25-16にドラムブレーキの組み合わせ。最終伝達はフルカバードのチェーンで右出し。ドクロライトといわれた大きなナセルの付くヘッドライト、流線型のウインカボディ、そしてシート両脇を後ろへ伸びるメッキ仕上げのRウインカホルダはフィン形状を持つなど、節々に豪華なアメ車のイメージが盛り込まれている。厚いシートはタンデム部分と分かれているタイプでパッセンジャーシートの前に大きなグリップが立ち上がる。公称最高速度は130km/h。翌1957年、このエンジンとデザインを使用して翌57年に低価格モデルコレダTPが、1958年にはビジネスモデルコレダTMが発表されている。TPとの価格差は\30000-。