Triumph (Britain 1902-) - index


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 1902年創立。1936年にArielのオーナーだったJack Sangster氏により買収。そして同氏に開発を一任されたEdward Turner氏によりSpeedTwinが生まれた。この車は四半世紀以上に渡ってライバル各社にコピーされ名車と評された。

 同社の発展にはこの時期もっとも難しい市場といわれた北米への進出に成功したことが大きく寄与している。それは主としてBill Johnson氏そしてEdward Turner両氏の尽力によるものだった。熱心なモーターサイクリストでまたエンジニアでもあったJohnsonは1934年、ハネムーンで出かけたハワイでArielディーラーにストックされていたArielスクエア4を見つけ、これをカリフォルニアの自宅に持ち帰る。その後Ariel社と継続的に連絡をとるようになるが、その相手が当時Arielでスクエア4の設計を行ったTurnerだった。Johnsonはアメリカ西海岸のインポーターをセットアップし、TurnerはマネージングディレクターとしてTriumphを動かした。ふたりは戦時中も連絡をとり続け、1946年にはTurnerがJohnsonの自宅を訪れたりもしている。このふたりの関係がTriumphの北米での成功をもたらしたといっても過言ではない。北米市場での需要は順調に増加し、1961年には東海岸をDenis McCormack氏が受け持つTriumph Corporationとしてインポーターも発展、1965年までに6500台を超える車両が北米で販売された。1962年にJohnsonが死去しTurnerが1964年に職を離れた後もBSAグループの終焉までこの関係は続く。

 1951年TriumphはBSAグループに売却される。SpeedTwinを始めThunderbird(649cc)、Tiger100(499cc)、そしてツインキャブのBonnevilleが大きな成功をもたらしたのがこの時代。しかしその後1970年代初期に向けて業績は悪化、1960年代後期には3気筒のTrident(740cc)が発表されるが不振はとめられなかった。

 そして1980年代初期、John Bloor氏が新たなオーナーとなりその指導のもと今日ではもっとも優秀な英国メーカーと再び評されている。


1993年の日本国内総輸入元は(株)レイズ。