SUZUKI - r


RA125(1984)/RE5 (1974)/RE5A (197-)/RL250 (1974)/RL250L (1974)/VanVan 50 (RV50) (1973)/VanVan 50S (RV50S) (1973)/VanVan 50S (RV50S) (1978)/VanVan 75 (RV75) (1973)/VanVan 125 (RV125) (1972)/VanVan 125S (RV125S) (1972)/

RG/RGΓシリーズ


RA125(1984)

 水冷2stパワーリードバルブシングル 124cc。カタログコピーは「Super Off Roader」。ワークスオフロードレーサーRAの技術をフィードバックしたことを売りにする当時最もコンペティティブだった一台。RAはWGPモトクロス125ccクラスにおいて、1975年から1983年まで9年連続のチャンピオンマシン。22psを発生する新設計エンジンは、燃焼室のスキッシュエリア、パワーリードバルブ、薄型軽量ピストンリング、高速遅角タイプのP.E.I.点火などを謳い、特別なデバイスはない。アルミラジエータにはリザーバタンク、サーモスタットを備える。キャブレターはRAと同じフラットスライド式。

 車体は高張力鋼管製セミダブルクレードルフレーム、スイングアームは角型断面のアルミ材。当時のスペック競争で欠かせなかった「足の長さ」は、前輪のホイールトラベル240mm、後輪はフルフローター式で220mm。前輪21インチ、後輪18インチのホイールはアルミリム。ブレーキは前輪シングルディスク、後輪はドラム式。

 スペックデータシート(xlsxファイル)


RE5 (1974)

 水冷シングルローターロータリー。容積は497cc。圧縮比8.5。最高出力62hp/6500rpm。最大トルク7.6kg*m/3500rpm。点火方式はCDI。1973年の東京モーターショーで発表。当時その理論の優秀性から将来性を高く評価されていたヴァンケル・エンジン(ロータリーエンジン)だが、実用化には熱問題や素材技術の問題から多くの困難があった。海外ではVAN BEENや近年ではNORTONが2輪用として着手しているが、国内2輪メーカーでともかくも実際に市販までこぎつけたのはスズキのこの車のみ。革新的なロータリーエンジンのモーターサイクルとして重要だったデザインは当時新進気鋭のデザイナーだったジウジァーロに依頼された。氏はロータリーイメージを各所に盛り込むことを考慮、茶筒型と呼ばれたメーターボックスやテールランプの造形もその一環だった。ヘッドライトケースの上に直交する向きに置かれた円筒形のボックス内に収納されるメーターはスピード、タコのほかに発光ダイオード表示のギアポジションインジケーターと水温計で、このほかインジケーターランプとして、リザーブ警告灯、オイル量警告灯、ローターまわり油圧警告等、各種灯火類ランプが並び電源オン時に一斉点灯してチェックされる。このメーターボックスは「ケース」らしく回転軸をもって開くプラスチックの蓋が付く。トップブリッジ上に突起する台座に設けられるメインスイッチをオンにするとこの蓋が開く仕掛け。右側のタコメーターは0-1500rpmまでの部分にイエローラインが引かれており実用外を示す。このエンジンには上にも危険域を示すイエローゾーンがあり6500-7000rpm、その上はレッドゾーンだがメーターパネルには9000rpmまで刻まれている。車体はコンチハン仕様と870mm幅のアップハンドル仕様の2種類が用意された。アルミリムのスポークホイールが装着するタイヤは前輪3.25H19、後輪4.00H18。前輪支持はチュリアーニタイプのFフォークでボトムケース前側にスズキブランドの油圧シングルキャリパを置くダブルディスクはGT750よりの流用。後輪支持はスイングアーム+2本ショック。車体は鋼管によるダブルクレードルフレーム。初期型RE5と後期型RE5Aがあり、タンクの形状などが異なる。ロータリーのパワーユニットは熱対策に苦心した跡が随所に見られ、シングルローターながら左右2本出しとなっている排気管もそのためのもの。冷却フィンを設けた排気マニホールドから導かれるこのエキパイは前方に冷却風の取り入れ口を設けた独特のものでラム圧による掃気効果も狙ったとされる。排気管自体は2重管で遮熱を図る。巨大なラジエータは背面にファンを抱え、この水まわりの駆動系などで小型のはずのロータリーユニットが巨大な様相を呈している。吸気ポートは全域をカバーするために低速用と高速用と2ポート用意され、それぞれ独立したインテークマニホールドにミクニ製ソレックスタイプキャブレタを1基ずつ接続する。主に低速用とされるプライマリー側は18mm径、高速用となるセカンダリ側は32mm径。ミッションは1ダウン4アップの5速。RE5は折悪しく石油ショックと重なり、数台が輸出されたのみでついに国内販売はされずに終わった。スズキはこのロータリーエンジンを軽4輪に載せることも計画したようだが、マツダとのパテントの問題で中止されたらしい。国内販売の計画はロータリーエンジンの排気量換算による制限が国内基準枠内に収まらなかったため、海外のみでの販売となった。

現在パーツはもちろん情報の入手も本当に困難になっている同車だが、プラグにはNGK AQEFPが使用できるようだ。やはりもっとも大きいのは熱の問題でキャブレタの過熱によって起こるパーコレーションなどロータリーならでは大きな問題となる。薄暮時には2重管になっている排気管が真っ赤にみえるほどということだ。ただしスズキのコメントとして「燃料、電気、潤滑系統が完全なら半永久的にトラブルはなく、それは18万マイルの耐久テストで証明されている」という記述があるらしい。またロータリーの心臓となるアペックス・シールにはチタン・カーバイト系が使用され8万キロを保証し、ハウジング側にはニッケルをベースにシリコン・カーバイトを焼結させたメッキ処理を施しこちらにも8万キロが保証されている。

発売 1974 全長 2220mm 全幅 -mm 全高 -mm 軸間距離 1500mm シート高 - 最低地上高 - 重量 230kg 乾燥重量 - 整備重量 - 水冷シングルローターロータリー 497cc  圧縮比 8.5 MaxP 62hp/6500rpm MaxT 7.6kg*m/3500rpm 始動方式 キック 潤滑方式 - 点火方式 CDI キャブレタ - クラッチ - 変速機 5速 変速比 2.846/1.736/1.363/1.125/0.923 1次減速比 - 2次減速比 - フレーム 鋼管ダブルクレードル キャスター - トレール - Brake F 油圧式ダブルディスク Brake R ドラム SusF テレスコピック Dumper F - SusR スイングアーム Dumper R - Tyre F 3.25H19 Tyre R 4.00H18 タンク容量 17L(初期型) オイル容量 - 車両価格 \-(1974)export

RE5A (197-)

 水冷シングルローターロータリー 497cc。RE5の後期型。初期型とタンク形状などが異なる。


RL250 (1974)

 空冷2stピストンリードバルブシングル 246cc。ハスラー250ベースのエンジンを搭載したスズキ唯一のトライアルモデル(2003年8月現在)。フレームは鋼管セミダブルクレードル。G・ファーレーの監修による。タンクがアルミ製が標準だが後期型ではスチールになる。混合給油。右キック、右スタンド。前輪テレスコピックに後輪スイングアーム+2本ショック。前輪はアクスルをフォークボトムケース前側に置くリーディングアクスル。エンジンは70*64mmのシリンダから17ps/6000rpm、2.1kg*m/5000rpmを発生する。ミッションは5速。F2.75-21、R4.00-18。RL250はコンペティションマシンRL250LVANVANの保安部品、メーターを搭載したもの。チェーンテンショナはスネイルカム式。直接のライバルはヤマハTY250J(1974)。95kgの乾燥重量はTYよりも2kg軽かった。

発売 1974 全長 -mm 全幅 -mm 全高 -mm 軸間距離 -mm シート高 - 最低地上高 - 重量 -kg 乾燥重量 - 整備重量 - 空冷2サイクル単気筒 ピストンリードバルブ -cc ボア*ストローク -mm 圧縮比 - MaxP - MaxT - 始動方式 キック 潤滑方式 - 点火方式 - キャブレタ - クラッチ - - 変速比 - 1次減速比 - 2次減速比 - フレーム - キャスター - トレール - Brake F ドラム Brake R ドラム SusF テレスコピック Dumper F - SusR スイングアーム Dumper R - Tyre F - Tyre R - タンク容量 - オイル容量 - 車両価格 \-(1974) japan

RL250L (1974)

 空冷2stピストンリードバルブシングル 246cc。ハスラー250ベースのエンジンを搭載したスズキ唯一のトライアルモデル(2003年8月現在)RL250のコンペティションバージョン。車体、エンジンスペックともに共通。乾燥重量90kgで保安部品のない分RL250より5kg軽かった。