SUZUKI - Selpet to Birdie


70 K40 (1966)/Selpet MA (1960)/Selpet MA (1961)/Selpet ME (1962)/Selpet M30 (1963)/M80 (1965)/U50 (1966)


1960年にセルペットMAとしてスタートしたこのシリーズはホンダ スーパーカブの対抗車種として開発が進められたもので、当初2ストローク専業メーカーだった同社はパワーユニットに一貫して2stシングルエンジンを採用する。このシリーズは1963年のM30でタンクをシート下に置くカブスタイルを結局採用し、1966年の70 K40で水平シリンダを採用、その後バーディーシリーズへ至ることになる。


Selpet MA (1960) セルペット

 空冷2st ピストンバルブ シングル 47.6cc。メインメンバー位置を下げたかたちのバックボーンフレームに新設計エンジンを搭載。燃料タンクをメインメンバーの上に置く構成なのでタンクがシートの高さより下にあることを除けば普遍的な車体構成。ホンダ スーパーカブの対抗馬としてデザインされた車で、エンジンスペックは1960年のスーパーカブC102の4.3ps/9500rpmに対して4.0ps/8000rpm、最大トルクは0.38kg*m/7000rpmと低い回転域で同等のパワーを発生。クラッチは湿式多板でミッションは4速。前輪懸架ボトムリンク、後輪スイングアーム+2本ショック。ホイールサイズは前後とも2.25-17とカブと同値。サドルシートとRフェンダー上の大型キャリアの組み合わせ。レッグシールドを標準装備。名称のとおり始動方式にはセルを採用しておりキックはない。当時の技術では始動不能になるトラブルが見られ不評をかったため翌1961年からはセル/キック併用式も併売された。公称最高速度は75km/h。


Selpet MA (1961) セルペット

 空冷2st ピストンバルブ シングル 47.6cc。1961年モデルではラインナップにセル/キック併用式が加えられた。1960年の初期型モデルはセルのみだったが始動不能になるトラブルで不評をかってしまったための判断。エンジンスペックなどに変更はないがレッグシールド、サイレンサが大型化されており、サドル型シートは厚みを増したものに変更されている。Rキャリアの上に設置するタンデムシートも用意されたようだ。


Selpet ME (1962) セルペット

 空冷2st ピストンバルブ シングル 50cc。


Selpet M30 (1963) セルペット

 空冷2st ピストンバルブ シングル 50cc。ホンダ スーパーカブの対抗馬としてデザインされたセルペットシリーズはこのM30でメインメンバーに燃料タンクを設置するスタイルを改め、カブ同様にシート下にタンクを置くレイアウトに変更された。大型のレッグシールドを装備してシリンダを隠したスタイルはカブに非常に良く似たものとなった。前輪懸架ボトムリンク、後輪スイングアーム+2本ショック、厚いサドル型シートと大型Rキャリアの構成も同じもの。エンジンには自動遠心式クラッチを採用しミッションは3速。ホイールサイズは前後2.25-17。エンジンスペックは4.0ps/6800rpm、0.45kg*m/5000rpm。ホイールサイズは前後とも2.25-17。公称燃費は95km/L、公称最高速度70km/h。


U50 (1966)

 空冷2stロータリーディスクバルブ 水平シングル 47cc。70 K40 (1966)のボアを8mm小さくしたモデル。K40同様にツートンカラーのシートを採用する。エンジンスペックは4.5ps/7000rpm、0.51kg*m/5000rpmで自動遠心式クラッチ、3速ロータリーミッションの仕様も同じ。エンジンのベースはK30ということでこの新エンジンにはCCIが採用されている。ホイールサイズは前後とも2.25-17。公称燃費は95km/L、公称最高速度70km/h。


70 K40 (1966)

 空冷2stロータリーディスクバルブ 水平シングル 69cc。70 K30 (1966)のパワーユニットを低速寄りにリファインし、スーパーカブスタイルの車体に搭載したビジネスモデル。ツートンのシート後方の大型Rキャリア上に載せるタンデムシートを標準装備した。前輪懸架はボトムリンク、後輪はスイングアーム+2本ショック。タンクはサドル型シートの下に配置。シリンダを水平近くに前傾するエンジンを搭載し、フレームのメインメンバーはM80に比べかなり下がっている。CCI採用のこのエンジンは70 K30より圧縮比を7.0から6.7に下げ、スペックは7.3ps/7500rpm、0.78kg*m/5000rpmから6.0ps/7000rpm、0.76kg*m/4500rpmと見直されている。ミッションは湿式多板から自動遠心式クラッチのロータリー3速に変更、利便性の向上が図られている。ホイールサイズは前後とも2.25-17。50ccモデルとしてU50 (1966)がラインナップされた。


M80 (1965)

 空冷2st ピストンバルブ シングル 79cc。M30の車体に80K系エンジンを搭載したモデル。エンジン特性は1965年 80K11の7.3ps/7000rpm、0.75kg*m/6000rpmから6ps/6500rpm、0.81kg*m/4500rpmへと低速に振られている。M30ではスーパーカブ同様に自動遠心クラッチを採用したが、エンジンを流用したM80では湿式多板クラッチのロータリーミッション4速となっている。始動はキックのみ。2.25-17のホイールサイズもM30と共通。公称燃費は85km/L、公称最高速度80km/h。