Words - YAMAHA


エア・インダクションシステム/オーソゴナル・エンジンマウント/ニューリンク式モノクロス・サスペンション/ヤマハCFアルミダイキャスト技術/ジェニック(G.E.N.I.C.H.)/ジェネシス(GENESIS)/YCC-I /YCC-S/YCC-T/Y.E.I.S. /Y.I.C.S./Y.P.V.S.


エア・インダクションシステム

 排出ガスの未燃焼成分を排気管中で再燃焼させ、排気ガスをよりクリーンにするシステム。


オーソゴナル・エンジンマウント(1980)

 コンピュータ解析を利用してエンジン振動を低減するエンジンのマウント方式。初代RZ250等に採用。エンジン振動をコンピュータ解析したデータをもとにマウント位置を設定し、振動系に見合ったラバーを配して振動を吸収する。このためフレームへの負担を軽減でき、軽量化に貢献する。


ニューリンク式モノクロス・サスペンション(New Link Type MONOCROSS Suspension)

 YZR、YZMで開発され、RZ250R/350R(1983)等の量販車に採用された後輪懸架システム。リヤアームとクッションユニットの間にリンク機構を設けたもの。ホイールストロークの位置によってクッションストロークがライジングレート的(二次曲線的)に変化する。


ヤマハCFアルミダイキャスト技術(2003-) Yamaha Controlled Filling Die Casting (制御充填ダイキャスト)

 真空アルミダイキャスト技術をベースに同社独自の技術で金型内の真空度を高め、アルミ溶湯の流動特性を最適化し、鋳造条件の細かな制御を可能として鋳造物の肉厚や曲がりの制限を緩和する鋳造技術。

 具体的手法としては、1.金型間にシール材を配して金型内の真空度を高めて湯流れの空気抵抗を低減する。2.金型の温度を制御し湯の温度を安定化する。3.湯の射出速度の向上による供給量の最適化。の3点が挙げられる。これらによりガス混入を従来技術の1/5に低減し、薄肉、複雑な曲面形状かつ大物のアルミダイキャストを可能にした。

 2003年型YZF-R6で初めて量販車に投入された。


ジェニック(G.E.N.I.C.H.) 

 2005/9/29広報発表、2005/10/1開催のパリ・ショーにて実車展示を前に発表したヤマハの技術思想。このショーで同社は最先端の電子制御技術を積極的に二輪製品に織り込む姿勢を示し、その技術思想を「ジェニック(G.E.N.I.C.H.)」と名付けて発表した。G.E.N.I.C.H.は「Genesis of Electrical engineering for New Innovative Control technology with Human orientation (人間性を重視した新しい制御技術における電子工学の創造)」からの造語。Genesisは、1985年にヤマハが発表した新世代のマシンづくりのコンセプトを指す。

 同パリ・ショーで展示されたG.E.N.I.C.H.思想に基づく車両は、2006年型YZF-R6(量販二輪車初の装備として電子制御スロットル(YCC-T)を採用)、2006年型FJR1300AS(クラッチ操作なしでシフトチェンジを可能にするYCC-Sを採用)の2機種。


ジェネシス(GENESIS)

 1985年にヤマハが発表した新世代のマシンづくりのコンセプトで、GENESISとは創世記のこと。「エンジンから車体、ひとつひとつのパーツに至るメカニズムの全てをトータルパフォーマンスに向けて有機的に集約し機能させることで高いマン・マシン・コミュニケーションを作り込むためのコンセプト。」とされる。

 初代SRXやFZ750、PHAZERなどが発表当時を代表する車両になる。


YCC-I (2007) Yamaha Chip Controlled Intake

 可変式エアファンネル。上下に二分割した吸気ダクトを、エンジン回転数とアクセル開度から演算してモーターで分離駆動する。高速域では下側のダクトのみを有効とすることで、中速/高速性能の両立を狙うもので、2007年型YZF-R1に初めて(量販車で世界初)採用された。


YCC-S (2006) Yamaha Chip Controlled Shift

 クラッチ操作なしでシフトチェンジを可能にする技術で、2006年型FJR1300ASに採用され2005/10/1開催のパリ・ショーにてジェニック思想の先駆けとして発表された。


YCC-T (2006) Yamaha Chip Controlled Throttle

 2006年型YZF-R6に量販二輪車初の装備として採用された技術。2005/10/1開催のパリ・ショーにてジェニック思想の先駆けとして発表された。


Y.E.I.S.(1981) Yamaha Energy Induction System

 2ストロークエンジンの吸気管にチャンバーをつなぐだけというシンプルなもので、リードバルブの開閉に伴う圧力変動による混合気の流れをチャンバーで一度吸収して吸気流速のムラをなくすことで吸気効率を高める。これによりハーフスロットル時のパワー、トルクを向上することができる。またこの仕組みはキャブレタの空燃比変動の防止にも働き、低中速域での燃費向上にも貢献する。1981年初代RZ50にロードモデル初採用。


Y.I.C.S.(1981) Yamaha Induction Control System

 ハイパワーと省燃費の両立を狙った技術で、1981年型XJ400シリーズに初採用された。エンジンの吸気通路と別に副吸気通路を設けるもので、副吸気通路のシリンダ側はバルブ近くからシリンダの接線方向に向けて開口する。シリンダが吸気工程にあるとき、他のシリンダの副吸気通路との間に生まれる圧力差を利用して混合気をジェット化し、主吸気通路からの混合気と合わせ、スワール効果を発生させる。


Y.P.V.S. (Yamaha Power Valve System)(1983)

 ワークスレーサーYZR500で開発され、RZ250R(1983)に量販車初採用された2stエンジンのデバイス。排気ポートに設けた鼓型のバルブをエンジンの回転数に応じて回転させ、開口面積をコントロールすることで最適な排気タイミングを実現する。C.D.I.ユニットから送られるエンジン回転数の信号をマイコン内蔵のコントロールユニットが計算しサーボモータを制御してワイヤー駆動で可変バルブを駆動する。イグニッションをオンにすると可変バルブが自動的に全開状態となり、始動性の向上に寄与すると同時にカーボンを除去するセルフクリーニングの機能がある。