2001.10/27-11/7 the 35th Tokyo Motor Show report
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HONDA-2 CBR954RR/VFR/XAXIS
 ホンダブースの舞台最上段はコンセプトマシンXAXIS(ザクシス)。水冷DOHC995ccVツイン+ダイキャストによるツインチューブフレーム+ピボットレスモノアーム+片持式Fフォーク。Fブレーキはリムディスクを左側に搭載。シリンダヘッド前にオイルクーラーコアが見える。ちょっと暗いがホイール中央位置で前輪を支持する図太いFフォーク摺動部に注意。右側はこのように覆うものが何もなく「洗練された機械素材の美しさ」をアピールするビュー。ヒカリものが存在を主張する。
  左側はフォーク、スイングアームがホイールを支持し、バイクらしい外観になるはずだが、むしろこちらの方がデザインの特異性を感じられるように思う。Fのブレーキキャリパが2箇所であることがわかる(キャリパにメーカーロゴはない)。金属のアンダーカウルはマフラーが兼任するが内部でエキパイがとぐろを巻いていると想像される。シフトペダルはスピンドルとリンケージされるが、連結アームをクランク状にしてレバー比を調節している。
  下側後方からのビュー。アンダーカウルに排気口が見える。上の写真でシート下に後方へ突き出しているのが排気管ではなくRサスのリザーバタンクであることがわかる。後方気筒のエキパイも下へ降りてアンダーカウルへ集合する。シートカウル内はラジエータスペースとなり、後端にはテールランプがビルトインされる。この位置のラジエータ自体は前例がないわけではないが実用化には高いハードルがあるようだ。展示車両のこの部分はグリルだけで実際にラジエータは設置されていないようにみえる。履いているのはピレリ。
  片持Fフォークの機能からか、ステアリングトップにはスタビライザー効果のアジャスタダイヤルが備わる。タンク両側に付く円型のパーツが何であるのかは未確認。ガードからわかるとおりクラッチは乾式。全長2030mm、全幅730mm、全高1020mm。
 2002年型CBR-RRはボアを1mm拡大して954ccへスープアップ。イメージはそのままだがフルモデルチェンジになる。ブラックアウトされたツインスパーは新設計。外観からはシートレールの取り付け位置が変わっていることが見受けられる。ガルアーム調の新設計スイングアームはHRC共同開発とされる。フロントカウルのレンズ面積の拡大とノーズ下まで回り込んだレンズが印象的なカウルは分割数が減りアンダーカウルのアウトレット形状が見直される。タンクはひとまわり小ぶりになりポジションの自由度を提供する。マフラーはバンドによる支持になった。それなりに撮れている写真が1枚しかなかったため残念ながらこれ1枚だけ公開。
  2002年VFRもご覧のようにフルモデルチェンジ。こちらはタンクのシルエットくらいにしか従来モデルの面影がない(このタンクのライダー側のラインは実は男性ライダーの股間を守るために研究された形状で93年のNSR250くらいから取り入れられている)。V4はVTECを初採用。低回転時には2バルブ、高回転時は4バルブを駆動する。
 大胆なほどスラントされたマスクになった。ノーズの下側まで回りこむ複雑なレンズの造形が2002年ホンダスポーツの顔のようだ。ヘッドライトは片側2灯の4バルブ。VFRのレンズは左右に分かれており中央の黒い部分はメーターバイザー。右の写真でわかるとおりスクリーンとの間に間隙を設けてある。スクリーンの曇り止め、あるいは高速巡航時のライダーの背圧を抑制する効果があると思われる。カウリングは3分割でサイドのダクトにVTRのように左右に抱えるラジエーターが見える。
 左の画像でヘッドライトまわりのその凝った造形が覗えると思う。カウルのヘッド部分は左右分割ではない。またボトムクランプの前部分にオイルクーラーが見える。スクリーン下側の通気はこのクーラーによる熱の影響、クーラーを通過したエアの流れを考慮したものかもしれない。Fフォークはインナー41mmから43mm径へサイズアップ。ホイールデザイン、ディスクローターのデザインは変わらず。Fフェンダーに見えるロゴはDual Combined Brake System。この前後連動ブレーキは前後配分が見直されている。これにABSを組みあわせたヴァージョンも存在するようで今秋のヨーロッパではVFR/VFR-ABSの2機種が発表されている。
  流行に則りテールカウル下へアップした三角形断面マフラーは2本出しで、デュアルセンターアップマフラーと呼ばれる。排気管長を稼げるメリットがあるが前後バンクの管長調整が後輪とエンジン間でうねったエキパイとなっている。タンデムを考慮した大きなヒートガードが付くがパッセンジャーにとっては快適になったとはいいがたい?一本のマフラーに二つの口をあける小径の排気口はその配慮でもあると思われるが。排気浄化には従来のHECS3(Honda Evolutional Catalyzing System 3)と命名される三元触媒装置が働く。グラブレール、しっかりしたつくりのタンデムステップが根幹の性格の不変を物語る。
 もちろんフレームはピボットレスでピボット形状はCBRと同様のものに変更。排気管の間をぬってセンタースタンドもきっちり装備。ダイキャストのタンデムステップホルダー端に荷掛けフックがつくが設計者の苦労がうかがえる。パニアケースを望む声は大きいのではないだろうか。それにしてもこのエネルギッシュなエキパイの束は大変魅力的(私見)。V4マシンの進化が止まらないのは喜ばしい限りだ。

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rxaxis vfr cbr954rr