SUZUKI - GT


GT100 (1975)/GT185 (1974)/GT250 (1971)/GT250B (1972)/GT250X-7 (1978)/GT380 (1972)/GT380B (1972)/GT380 (1974)/GT380 (1978)/GT500 (1971)/GT550 (1972)/GT750 (1971)/GT750 (1972)/GT750 (1973.1)/GT750 (1973.8)/GT750 (1973.10)/GT750 (1975)


GT100 (1975)

 空冷2st ロータリーディスクバルブ シングル 97cc。ハスラーTS90のパワーユニットのボアを広げ、鋼管ダイヤモンドのフレームに搭載するロードスポーツ。アルミシリンダにメッキを施し、スリーブレスとして耐久性の向上を謳った。ミッションは5速。前後フェンダーはメッキ仕上げ。懸架方式は前輪テレスコピック、後輪に鋼管スイングアーム+2本ショック。制動は後輪ドラム、前輪右側にシングルディスク。油圧式キャリパをフォークボトム前側に設置する。始動はキックのみ。12ps/8000rpm、1.1kg*m/7500rpm。F2.50-18、R2.75-18。


GT185 (1974)

 空冷2st ピストンバルブ パラツイン 184cc。専用設計の鋼管クレードルフレームに49*49mmのスクエアシリンダエンジンを搭載するロードスポーツモデルで、発表時新ジャンルモデルとして注目された。ラムエアヘッドを装備するエンジンは21ps/7500rpm、2.1kg*m/6500rpmを発生。ミッションは5速。始動にはキックとセルを併用する。潤滑はもちろんCCIS。前輪テレスコピック、後輪懸架は鋼管スイングアーム+2本ショック。エキパイがエンジン下を通り左右へマフラーを振り分ける2本出し。マフラーは水平面よりやや跳ね上がるデザイン。前後フェンダーはメッキ仕上げ。前輪の制動は右側シングルディスク。伽リパはフォーク前にマウントする。F2.75-18、R3.00-18。


GT250 (1971)

 空冷2st ピストンバルブ パラツイン 247cc。T250-IIIの後継車。T250-IIIからエンジンスペックなどに変更はなく、主にデザインの変更による。鋼管セミダブルクレードルフレームに前輪テレスコピック、後輪支持は鋼管スイングアーム+2本ショック。CCIエンジンは54.0*54.0mmのスクエアシリンダより30.5ps/8000rpm、2.82kg*m/7000rpmを発生。始動はキックのみ。6速ミッションの採用は当時このクラス唯一だった。ダブルシートにはモールが付き、タックロールが入る。ホイールサイズはF2.75-18、R3.00-18。公称最高速度160km/h。翌1972年にGT250Bへマイナーチェンジ。


GT250B (1972)

 空冷2st ピストンバルブ パラツイン 247cc。GT250 (1971)よりマイナーチェンジ。前輪ブレーキにシングルディスクを採用し、車名の末尾にBを付記するのはGT380B (1972)と同じ。ブレーキディスクは車体右側で、キャリパをフォークボトムケース前に置く。後輪ブレーキはドラム式。エンジンヘッドにGT380でも採用されたラムエアシステムを装着する。エンジンスペックはGT250 (1971)から変わらないが、左右2本出しのマフラー形状やシート、Fフェンダー、メーターまわりが変更されているほか、鋼管クレードルの車体もディメンジョンから見直されている。6速ミッションはギア比が変更され、加速感を重視した設定とされた。前輪懸架はテレスコピックでGT250 (1971)にはなかったブーツが付く。後輪支持は鋼管スイングアーム+2本ショック。ホイールサイズはF2.75-18、R3.00-18。公称最高速度160km/h。0→400mは15sec。


GT250X-7 (1978)

RG250Eの輸出仕様。空冷2stパラツイン。車体は250専用設計。星型キャストホイールを採用。27ps規制により国内仕様の30psよりパワーダウンしている。

発売 - 全長 - 全幅 - 全高 - 軸間距離 1320mm シート高 - 最低地上高 - 重量 145kg 乾燥重量 - 整備重量 - 247cc 空冷2サイクル横置並列2気筒 ピストンリードバルブ ボア*ストローク 54*54mm 圧縮比 6.7 MaxP 27ps/8000rpm MaxT 2.5kg ・m/7500rpm 始動方式 キック 潤滑方式 - 点火方式 - キャブレタ - クラッチ - 前進6段リターン 変速比 - 1次減速比 - 2次減速比 - フレーム - キャスター - トレール - Brake F シングルディスク Brake R ドラム SusF テレスコピック Dumper F - SusR スイングアーム Dumper R - Tyre F 3.00-18 Tyre F - Tyre R 3.25-18 Tyre R - タンク容量 - オイル容量 - 車両価格 \-(1978)

GT380 (1972)

 空冷2st ピストンリードバルブ インライン3 371cc。GT380初期型。通称GTサンパチ。GT750 (1971)に続いて並列3気筒のエンジンレイアウトを採用し、マフラーも同じく4本出し。GT250のパラツインに1気筒加えたかたちで、54.0*54.0mmのスクエアシリンダは同じサイズ。中央シリンダの冷却能力向上を図ってヘッドを覆う導風板を設置、これはラムエアシステムと呼ばれGT550でも採用されたもの。このラムエアシステムによるエンジンヘッド冷却効率のアップは40%といわれた。エンジンスペックは38ps/7500rpm、3.8kg*m/6500rpm。ミッションは6速。始動方式はキックのみ。ホイールサイズはF3.50-19、R3.50-18でブレーキは前後ドラム式。懸架方式は前輪テレスコピック、後輪は鋼管スイングアーム+2本ショック。同年前輪ディスクブレーキ仕様のGT380Bが追加発売された。


GT380B (1972)

 空冷2st ピストンリードバルブ インライン3 371cc。同じく空冷3気筒を採用するGT550 (1972)と同時に発売されたGT380のバリエーションモデル。前輪ブレーキにシングルディスクを採用する以外、基本スペックに変更はない。ディスクは車体右側で、キャリパをフォークボトム前側に設置。ノーマルより\15000-のアップ。公称最高速度165km/h。


GT380 (1974)

 空冷2st ピストンリードバルブ インライン3 371cc。3型。基本スペックに変更はないが、装備面で小変更を受けている。ヘッドライトケースがメッキ仕上げとなったほか、デザイン変更されたメーターパネルにギアポジションインジケータが追加された。Fフォークのブーツは廃止された。


GT380 (1978)

 空冷2st ピストンリードバルブ インライン3 371cc。中央気筒のEXを2本に分けてマフラーは左右2本ずつ。

発売 - 全長 2090mm 全幅 815mm 全高 1125mm 軸間距離 1380mm シート高 - 最低地上高 - 重量 183kg 乾燥重量 - 整備重量 - 371cc 空冷2サイクル横置並列3気筒 ピストンバルブ ボア*ストローク 54*54mm 圧縮比 7.2 MaxP 38ps/7500rpm MaxT 3.8kg ・m/6500rpm 始動方式 キック 潤滑方式 - 点火方式 - キャブレタ - クラッチ - 前進6段リターン 変速比 - 1次減速比 - 2次減速比 - フレーム - キャスター - トレール - Brake F ドラム Brake R ドラム SusF テレスコピック Dumper F - SusR スイングアーム Dumper R - Tyre F 3.00-19 Tyre F - Tyre R 3.50-18 Tyre R - タンク容量 - オイル容量 - 車両価格 \310000-(1978)japan

GT500 (1971)

 空冷2st ピストンバルブ パラツイン 492cc。T500-III (1970)の後継車として1971年発表。T500系のCCIパワーユニットを新デザインのボディに搭載する。エンジンスペックはT500-IIIから変わらず47ps/6500rpm、5.5kg*m/6000rpm。始動はキックのみでミッションは5速。ホイールサイズもF3.25-19、R4.00-18と同値。フレームは鋼管ダブルクレードル。前輪懸架はテレスコピックでブーツが付く。後輪支持は鋼管スイングアーム+スプリング剥き出しの2本ショック。公称最高速度は180km/h。


GT550 (1972)

 空冷2st ピストンバルブ 並列3気筒 543cc。GT500 (1971)より1972年モデルチェンジ、ツインエンジンからインライン3へ方式を変更。シリンダサイズは61*62mmが設定され、中央シリンダの冷却にはヘッドを覆って前方からの空気を積極的に集めるラムエアシステムを導入。この冷却システムはT500のレーシングモデルTR500でこの問題解決の実績がある技術。GT750同様マフラーは左右2本ずつの4本。始動方式はセルとキックを併用する。ミッションは5速。エンジンスペックは50ps/6500rpm、5.5kg*m/6000rpm。Fブレーキには油圧式シングルディスクをGTシリーズ初採用。ディスクは車体右側でキャリパはボトムケース前側に設置する。前後ホイールはF3.25-19、R4.00-18。前輪懸架はブーツの付くテレスコピック式、後輪支持は鋼管スイングアーム+2本ショック。公称最高速度175km/h。


GT750 (1971)

 水冷2st ピストンバルブ 並列3気筒 738cc。大排気量化が進む時代に、2stメーカーであった同社が出した回答は並列3気筒をウォータージャケットで包むこと。それは国産量販車初の水冷エンジンだった。2st3気筒は4st6気筒と同じといわれた時代にあって選択された3気筒エンジン。水冷化はその中央シリンダの冷却が主な目的だが、その選択はGT750の性格付けにも大きく関連した。1969年に発表されたカワサキ マッハIIIの2st3気筒とはまったく趣きを異にする落ち着いた動力性能は水冷をもじって「水牛(Water Buffalow)」と名打った海外仕様の名称によく現れているとされる。水冷エンジンの静音性が、猛々しさのない特性を与えられたスムースに回転する並列3気筒エンジンの印象を演出し、大柄な車体に大人の雰囲気を提供した。サイドのカバーをボディと同色に塗ったラジエータには電動ファンを装備する。独特の排気音といわれたマフラーは中央シリンダの排気管をエンジン下で2本に分け左右それぞれ2本出しの4本マフラーとされた。エンジンは70*64mmのショートストローク3気筒から67ps/6500rpm、7.7kg*m/5500rpmを発生。このシリンダサイズはT500 (1968)と同一。ミッションは5速(2.846/1.736/1.363/1.125/0.923)で始動はセル/キックの併用式。このエンジンにはもちろんCCIが採用され、そのオイルポンプ容量は1.8L。さらにGT750では排気煙の減少をはかって、クランクケースに残ったオイルを燃焼行程にあるシリンダに送り込むSRIS (Suzuki Recycle Injection System)を採用した。車体は鋼管ダブルクレードルフレームに前輪テレスコピック、後輪鋼管スイングアーム+2本ショック。メーターはスピードとタコの間に水温計を配する3連メーター。ホイールサイズはF3.25-19、R4.00-18。スピードメーターには240km/hまで刻まれ、公称最高速度は185km/h。


GT750 (1972)

 水冷2st ピストンバルブ 並列3気筒 738cc。GT750の2型。前輪ブレーキにダブルディスクを装着した。


GT750 (1973.1)

 水冷2st ピストンバルブ 並列3気筒 738cc。GT750の3型。1973年1月発表で、吸排気系の変更を受けている。キャブレタを負圧式からソレックスタイプの強制開閉式SUキャブレタに変更。またマフラー形状を変更。


GT750 (1973.8)

 水冷2st ピストンバルブ 並列3気筒 738cc。GT750の4型。1973年8月発表。ラジエータの電動ファンが廃止された。


GT750 (1973.10)

 水冷2st ピストンバルブ 並列3気筒 738cc。GT750の5型。1973年10月発表。カラーリング変更のマイナーチェンジ。


GT750 (1975)

 水冷2st ピストンバルブ 並列3気筒 738cc。GT750最終型。ガスタンクに給油口をカバーする蓋が付き、ヘッドライトがシールドビームに変更されている。