YAMAHA - D


DS5E (1967)/DS5E (1968)/DS6 (1969)/DS6C (1969)/DS7 (1970)/Diversion (1992)/Diversion 900 (1994)/DX250 (1970)/DX250 (1971)/DX250PRO (1972)


Sport DS5E (1967)

 空冷2stピストンバルブパラツイン 247cc。YDS-3 (1966)の後継車として1967年デビュー。フレームは鋼管の厚みを増して強度を稼ぎ、エンジンはオイルポンプ、クラッチ、ミッションなどを見直し信頼性を向上。250クラスとして初めてセルを採用した。これらの装備充実にも関わらずYDS-3より14kgの軽量化を達成している。公称最高速度160km/h、0→400m 15.1sec。このDS5Eの車体に305ccエンジンを搭載した兄弟車305M2 (1967)も存在した。


250 DS5E (1968)

 空冷2stピストンバルブパラツイン 247cc。1967年発表のDS5E、1968年はマイナーチェンジ。エンジンは5ポートアルミシリンダを採用し、これにともなってシリンダヘッドも変更された。エンジンスペックは29.5ps/8000rpm、2.75kg*m/7500rpm→30.0ps/7800rpm、2.84kg*m/7500rpmと正常進化。この他シートをタックロールの入った厚いものに、灯火類を大型のものに変更、ドリブンスプロケットには軽め穴が開いた。公称最高速度160km/h、0→400mは15.1sec。後継車はDS6 (1969)


Sport 250 DS6 (1969)

 空冷2stピストンバルブパラツイン 246cc。DS5E (1968)よりモデルチェンジ。スポーティな外観とカラフルな塗装が施されイメージを一新した。エンジンは5ポートアルミシリンダを新しく興し、中低速を中心に出力アップが図られている。マフラーは水平に伸ばした後端を絞って背圧をかけるタイプに変更。公称最高速度160km/h、0→400mは15sec。ロードレーサーTD-2B (1970)のベースマシンであり、国内ではこのDS6用レーシングキットとしてTD-2Bパーツがリリースされた。ちなみにTD-2Bの公称最高出力は、DS6の30ps/7500rpm、2.92kg*m/7000rpmに対して44ps/10000rpm、3.17kg*m/9000rpm。

 バリエーションモデルにスクランブラーDS6Cがラインナップされた。後継車はDX250 (1970)


Scrambler 250DS6C (1969)

 空冷2stピストンバルブパラツイン 246cc。1969年のヤマハスポーツの旗艦350R3にスクランブラーモデルR3Cがラインナップされたように、250クラスのDS6 (1969)にもスクランブラー仕立てのDS6C (1969)が用意された。車体、エンジンとも共通だがエンジンは2次減速比を落としてある。スクランブラーの定番としてマフラーはセミアップタイプに変更、ハンドルバーも高めのものに換装され、Fフォークにはブーツを装備、Rショックはスプリング剥き出しのものに。タイヤはノビータイヤを履くが後輪のみDS6より一回り幅の広い3.50-18を履く。公称最高速度150km/h。


DS7 (1970)

  輸出車。空冷2stピストンバルブパラツイン 247cc。DS6 (1969)の後継車として1970年発表。国内仕様名はDX250。54*54mmのスクエアとされた新設計エンジンを鋼管ダブルクレードルフレームに搭載。デザインも一新された。前後18インチホイールにドラムブレーキの組み合わせ。


Diversion (1992) ディバージョン

 空冷4stDOHC2バルブインライン4 398cc。オンロードツアラーの新しい方向性として投入されたブランニューモデル。過激なスポーツモデルばかりが目立つラインナップという時勢にあってそれ以外を探すといわゆるベーシックネイキッドしかない、という声からベテランライダー向けに模索されたもの。世界戦略車として新しいベーシックを訴え、4気筒ならではの安定性、そして味を、快適性への道具として用い具現化した。カタログコピーは「楽しむこと、遊ぶことに長けた二人が選んだもの」「WIND TOURER」。ボディマウントのハーフカウルを装備する鋼管ダブルクレードルのシャーシに、シリンダを前傾した新設計エンジンを搭載。カウリングはウインドシールド上端にソリを設けてあり、中低速では適度にライダーに風を送りながら。高速域では充分なプロテクション機能を持つ設計。エンジンはクランクマスを大きめにとり落ち着いた乗り味を追求した。排気系は1番と4番、2番と3番をエンジン下で連結するためシリンダ前でクロスする特異な外観を見せる。マフラーは左右2本出しのクロムメッキ仕上げ。後輪はモノショック支持で、ホイールは前後3本スポークにブレーキローターのマウントをハブに設けるオリジナルキャスト。ブレーキは前後シングルディスク。ツアラーモデルとしてマフラーガード付きのタンデムステップホルダー、タンデムグリップが付くが、センタースタンドは装備されない。カラーリングはベリーダークブルーメタリック3、ブラック2、アップルレッドの3色が用意されメーカーとして力の入った新作だった。

発売 1992 型式 4BP 全長 -mm 全幅 -mm 全高 -mm 軸間距離 -mm シート高 - 最低地上高 - 重量 -kg 乾燥重量 178kg 整備重量 - 空冷4サイクルDOHC2バルブ横置並列4気筒 398cc ボア*ストローク -mm 圧縮比 - MaxP 42ps/10000rpm MaxT 3.5kg*m/7000rpm 始動方式 セル 潤滑方式 ウェットサンプ 点火方式 - キャブレタ - クラッチ 湿式多板 変速機 6速リターン 変速比 - 1次減速比 - 2次減速比 - フレーム 鋼管ダブルクレードル キャスター - トレール - Brake F シングルディスク Brake R シングルディスク SusF テレスコピック Dumper F - SusR スイングアーム Dumper R - Tyre F - Tyre R - タンク容量 - オイル容量 - カラー:very dark blue metallic3, black2, apple red 車両価格 \499000-(1992) japan 速度警告灯装着車は\10000-高

Diversion 900 (1994) ディバージョン

 空冷4stDOHC2バルブインライン4 892cc。1994年IFMAショーで発表された参考出品モデル。ディバージョンシリーズの最大排気量車で設計思想はシリーズ共通。暴力的な味付けを避けた新設計エンジンはやや前傾したシリンダを持ち、最終伝達機構はシャフトドライブ。キャブレタにはスロットルポジションセンサーを備える。エンジンスペックは89.4ps/8250rpm、8.5kg*m/7000rpm。ミッションは5速。排気系は左右2本出しのマフラー。アップライトなライディングポジションでの防風効果を計算したボディマウントのカウルを装備。タンデムシート後方には左右独立タイプのタンデムグリップを採用する。F120/70-17、R150/70-17のホイールはTZRタイプの中空3本スポークキャストホイール。制動はトリプルディスク。


Sport DX250 (1970)

 空冷2stピストンバルブパラツイン 247cc。DS6 (1969)の後継車として1970年発表。輸出名はDS7。54*54mmのスクエアとされた新設計エンジンを鋼管ダブルクレードルフレームに搭載。デザインも一新され、人気車となった。前後18インチホイールにドラムブレーキの組み合わせ。公称最高速度160km/h、0→400mは14.8sec。


Sport DX250 (1971)

 空冷2stピストンバルブパラツイン 247cc。1970年発表のDX250は1971年カラー変更のみのマイナーチェンジ。公称最高速度160km/h、0→400mは14.8sec。


Sport DX250PRO (1972)

 空冷2stピストンバルブパラツイン 247cc。RX350RX350PRO (1972)の関係同様にDX250に前輪ディスクブレーキを装備したモデル。RX350PROより1ヶ月遅れて発表された。350同様にRショックに不等ピッチスプリングを採用したスポーツサスを装備しているが、基本的にはDX250と共通でエンジンスペックにも変更はない。カラーリングも350PROに準じたデザインに変更を受けている。油圧式シングルディスクを前輪右側に装備。公称最高速度160km/h。