YAMAHA - TZR


TZR50 (1990)/TZR50 (1992)/TZR50R (1993)/TZR50R (1995)/TZR50R (1997)/TZR125 (1987)/TZR125 (1988)/TZR125 (1989)/TZR125 (1992)/TZR125 (1994)/TZR250 (1985)/TZR250 (1988)/TZR250 (1989)/TZR250 (1990)/TZR250SP (1990)/TZR250R (1991)/TZR250R (1992)/TZR250R RS (1992)/TZR250R SP (1992)/TZR250R RS (1993)/TZR250R SP (1993)/TZR250R RS (1994)/TZR250R SP (1994)


TZR50 (1990)

 水冷2stピストンリードバルブ シングル 49cc。1990年発表。量販ゼロハンロードレーサーTZ50と同時開発されたフルサイズスポーツモデル。開発イメージは「誇れるセロハン」。デルタボックススチールフレームにボトムリンク式モノクロスの組み合わせ。エンジンにはゼロハン初のコンピュータ制御デジタル進角方式を採用。エンジンスペックはメーカー自主規制枠の7.2psを9000rpmで発生。最大トルクは0.65kg*m/7500rpm。ミッションは6速。フルカウルには角型ヘッドライトをフラッシュサーフェイス化してビルトイン。F80/90-16、R90/90-17のTZRシリーズ一連のデザインの中空3本スポークキャストホイールを装着。ブレーキは前後シングルディスク。


TZR50 (1992)

 水冷2stピストンリードバルブ シングル 49cc。1992年はカラー変更のマイナーチェンジ。フレーム、ホイールをブラックアウト。基本スペックに変更はない。


TZR50R (1993)

 水冷2stクランクケースリードバルブ シングル 49cc。1993年はニューエンジンのモデルチェンジ。吸気方式がクランクケースリードバルブになった。吸気抵抗減少のために流路のストレート化が図られている。エンジンスペックは7.2ps/10000rpm、0.60kg*m/8000rpm。ミッションは6速。始動はセルのみ。冷却効率アップのためウォーターポンプには125ccクラス並みの流量を持つものが採用されている。車体は基本的にTZR50 (1992)と変わっていないがシートカウルの形状が変更されており、Fフェンダーは倒立フォーク風になった。F80/90-16、R90/90-17の中空3本スポークのキャストホイール、前後シングルディスクに変更はない。このエンジンはミニレプリカTZM50R (1994)のベースになった。


TZR50R (1995)

 水冷2stクランクケースリードバルブ シングル 49cc。1995年はRショックユニットにビルシュタインタイプを採用。エンジンスペックは最大トルクが0.63kg*m/7500rpmとスペックアップ。


TZR50R (1997)

 水冷2stクランクケースリードバルブ シングル 49cc。1997年はカラー変更のマイナーチェンジ。スペックに変更はない。


TZR125 (1987)

 水冷2stクランクケースリードバルブ シングル 124cc。1987年にRZ125よりモデルチェンジ。クランクケース吸気となったエンジンをデルタボックスフレームに搭載する。56.4*50.0mmのシリンダサイズはTZR250と同値。22.0ps/10000rpm、1.70kg*m/8500rpmのスペックでミッションは6速。YPVSを採用する排気系はチャンバ後方にサイレンサを設けるタイプ。角型ヘッドライトの車体デザインはTZR250風だがカウルを装備しない。後輪懸架は角型断面スイングアームによるリンク式モノクロス。F90/90-16、R100/90-18のキャストホイールはFZ系と同じデザインで前輪右側にディスクを置くシングルディスクブレーキ。タンデムグリップを標準装備する。125ccレーサーのベースとして定番となった。


TZR125 (1988)

 水冷2stクランクケースリードバルブ シングル 124cc。1988年モデルは基本的に1987年と変更ないが、ヨーロッパ仕様のフルカウルモデルが500台限定でラインナップに加えられた。もともとレーサーベースとしても好評だったこともあり、このフルカウル仕様は人気が高く、1988年11月に再度500台限定で販売されている。カウリングはTZR250に準じた3分割デザインだが、ナックルカウルは一体式。


TZR125 (1989)

 水冷2stクランクケースリードバルブ シングル 124cc。1989年は16インチだったFホイールの17インチ化、前後ディスクブレーキの採用が主な変更点。F90/80-17、R100/90-18サイズのチューブレスタイヤを履くホイールはTZR250同様のデザインの中空3本スポークキャストホイールとなり、Fブレーキディスクは大径化された。エンジンスペックなどに変更はない。


TZR125 (1992)

 水冷2stクランクケースリードバルブ シングル 124cc。1992年はマイナーチェンジ。デルタボックスフレーム、ホイールをブラックアウト。基本スペックに変更はない。


TZR125 (1994)

 水冷2stクランクケースリードバルブ シングル 124cc。1994年はカラー変更のマイナーチェンジ。デルタボックスフレームをガンメタ仕上げとし、ホイールはホワイト塗装。基本スペックに変更はない。


TZR250 (1985)

 水冷2stクランクケースリードバルブ パラツイン 249cc。初代TZR。1985年東京モーターショー発表、同1985年11月発売。RZ系からの実質的なモデルチェンジで以降ヤマハ2stスーパースポーツはTZR系が引っ張ることになる。新設計エンジンはRZ系と同じにシリンダを横に2つ並べているが、吸気方式をピストンリードバルブからクランクケースリードバルブに改め45ps/9500rpm、3.5kg*m/9000rpmを発生する。ミッションは6速。左右2本の黒いサイレンサはYZRを意識したもの。このエンジンもYPVSを採用しているが、ヤマハの2stエンジンにYPVSが付いているのは当然として特にこのポイントをアピールしていない。始動はキックのみ。車体はアルミ材を箱状にまとめて車幅を抑えながら剛性を確保したデルタボックスフレーム。ヤマハレーシングマシン同様の手法でステアリングヘッドとスイングアームピボットを直線的に結び、エンジンをメインメンバーから吊るす方式。後輪支持は角型断面アルミスイングアームによるリンク式モノクロス。フルカウルの車体はヤマハサンビームカラーに塗られ、ヘッドライトは角型1灯。Fウインカはアッパーカウルにピンで留められるナックルカウル下にデザインされた台座に収まる。4stレプリカであるFZではタンデムシートを分離し小型化する思い切りをみせたが、TZRではダブルシートを採用している。サイドカバーと一体デザインのテールカウルをタンデムシート脇で大きく膨らませるのはYZRの4本チャンバーを意識したもの。実際のところ転倒時に足をはさんで圧迫骨折することを防ぐ意味でもメリットがあった。テールランプ、Rウインカもこのテールカウルにビルトイン。テールランプは2灯式。16.0Lタンクのキャップは航空機タイプ。F100/80-17、R120/80-17の新デザイン3本スポークの中空キャストホイールで、ブレーキは前後シングルディスク。後輪側は簡単なリジッドディスクでキャリパもスイングアーム後端のアルミステーで簡単に固定される。前輪側では大径ディスクをフローティングして車体右側に装着した。RZでは装備されていたメインスタンドが省略されている。


TZR250 (1988)

 水冷2stクランクケースリードバルブ パラツイン 249cc。1988年はマイナーチェンジ。ボトムリンク式モノクロスサスペンションの採用と前後ラジアルタイヤの装着が大きな変更点。タイヤサイズはF110/80-17、R130/70-17となった。エンジンは熟成が進められ、メッキシリンダの耐久性向上、リードバルブの大型化、補助排気ポートの新設などが手がけられている。45ps/9500rpm、3.6kg*m/8500rpmと85年の初期モデルと比較して最大トルクの発生回転数が500rpm下がっている。このエンジンは新ジャンルオフスポーツを提言したTDR250 (1988)のパワーユニットのベースとなった。車体はカラーリング変更を受けており、従来あえて入れられていなかったYPVSのロゴがカウリングに加えられた。


TZR250 (1989)

 水冷2stクランクケースリードバルブ パラツイン 249cc。1989年はフルモデルチェンジ。TZレプリカとして1988年のTZに倣いエンジンは後方排気を採用。エンジンスペックは45ps/9500rpm、3.8kg*m/8000rpm+6速ミッション。始動はキックのみ。このエンジンを抱えるフレームは新設計アルミデルタボックスフレーム。後輪のボトムリンク式モノクロスはアルミ角型断面スイングアーム下側にスタビライザーが付く。排気のストレート化を目的とする後方排気エンジンはTZ同様チャンバをシート下に配し、テールランプ上にサイレンサが開口する。これまでのTZRよりレプリカ度を高めたデザインで、薄いメインシートと分離したタンデムシートをシートカウル上に設置する。フルカウルはヘッドライトをフラッシュサーフェイス化し、アンダーカウルはスイングアームピボット下まで延長。ナックルカウルは従来モデルと同様に別パーツ。F110/70-17、R140/60-18サイズのホイールデザインは変わらず3本スポークのキャストホイールで、ブレーキはトリプルディスクとなった。


TZR250 (1990)

 水冷2stクランクケースリードバルブ パラツイン 249cc。1990年はマイナーチェンジで、ポートタイミング、排気系の見直しを受けている。YPVSは2ウェイコントロール式となった。キャブレタも変更。車体側では倒立式Fフォークの採用、スイングアームスタビライザーの変更などを受けている。倒立フォークの採用にともないFフェンダーも形状変更。基本スペックに変更はない後方排気TZRの最終型となった。


TZR250SP (1990)

 水冷2stクランクケースリードバルブ パラツイン 249cc。TZR250 (1990)のスポーツプロダクション仕様。エンジンはかなり見直しを受けており、キャブレタの口径アップ、大型ラジエータの採用、専用シリンダ、別体式シリンダヘッドの採用、乾式クラッチ、ミッションのクロスレシオ化などを受けている。エンジンスペック自体はメーカー自主規制値である最高出力45psにかわりはない。45ps/9500rpm、3.8kg*m/8000rpm。足回りもノーマルモデルに対してグレードアップされており、倒立式Fフォークは伸び側、圧側とも減衰力調整可能、Rショックユニットは圧側のみ減衰調整機構付。シートカウル上のタンデムシートは残されている。ノーマルとの価格差は+\100000-。


TZR250R (1991)

  水冷2stクランクケースリードバルブ 90度Vツイン 249cc。1991年はフルモデルチェンジ。第3世代TZR。販売網の不慣れもあり評判がよくなかった後方排気エンジンに替わって、バランサ採用の90度1軸Vツインが新たに開発された。もちろん新設計のアルミデルタボックスフレームはブラックアウトされ、後輪のモノクロスを支えるスイングアームはチャンバーを避けてガルウイング型を採用。Fフォークは倒立式。コンピュータ制御が進んだエンジンのスペックは45ps/9500rpm、3.8kg*m/8000rpm。F110/70-R17-H54、R150/60-R17-H66の中空3本スポークキャストホイールもブラックアウト。ピリオンシートをテールカウル上に配するレーサーレプリカデザインでフルカウルはビルトインするヘッドライトを小型化しよりスラントした鋭利なデザインとなった。1991年はレプリカベースのTZ250もVツインにフルモデルチェンジしている。


TZR250R (1992)

  水冷2stクランクケースリードバルブ 90度Vツイン 249cc。1992年はマイナーチェンジ。この年には乾式クラッチモデルTZR250R RSがラインナップされた。


TZR250R RS (1992)

  水冷2stクランクケースリードバルブ 90度Vツイン 249cc。1992年にラインナップされた乾式クラッチモデル。限定販売されたTZR250R SPの量販バージョン。ミッションはスタンダード。RSはRacing Sropt。


TZR250R SP (1992)

  水冷2stクランクケースリードバルブ 90度Vツイン 249cc。1991年12/20発売の92年TZRのSP仕様。500台の限定生産。1991年モデルと大きな変更はないが、アルミデルタボックスフレームはスイングアームピボットまわりの剛性を1991年モデルに対してねじれ剛性で5%、横剛性で5%アップ。ガルウイング状スイングアームもピボットまわりの強化によりねじれ剛性8%、横剛性11%の向上を果たしている。足回りではフリクションロスの低減、サスセッティングの見直しがされている。このほか操作性の向上したフューエルコックや、スロットルワイヤの操作荷重の減少、ハザードランプの装備、常時点灯式ヘッドライトの採用による電装の見直しなどがなされている。SP仕様専用エンジンの販売時の最高出力はノーマルモデルと同じ45psだが、RC SUGOから用意されるレースキットの組み込みにより74psを発生する。キャブレタはTM36SS。SP特別装備として乾式クラッチ、クロスミッション、大型ラジエータ、専用シリンダとクランク、フルアジャスタブルFフォーク、カラー圧入式ホイール、クイックファスナー使用のアンダーカウルを採用。カラーリングはシルキーホワイトのみ。これをベースにTZR250R RSが用意された。

発売 1991.12.20- 全長 -mm 全幅 -mm 全高 -mm 軸間距離 -mm シート高 - 最低地上高 - 重量 -kg 乾燥重量 - 整備重量 - 水冷2サイクル横置90度V型2気筒 クランクケースリードバルブ -cc ボア*ストローク -mm 圧縮比 - MaxP ps/-rpm MaxT - 始動方式 キック 潤滑方式 分離 点火方式 - キャブレタ - クラッチ - - 変速比 - 1次減速比 - 2次減速比 - フレーム アルミデルタボックス キャスター - トレール - Brake F ダブルディスク Brake R シングルディスク SusF テレスコピック Dumper F - SusR スイングアーム Dumper R - Tyre F - Tyre R - タンク容量 - オイル容量 - カラー シルキーホワイト  車両価格 \839000-(1992) japan

TZR250R RS (1993)

  水冷2stクランクケースリードバルブ 90度Vツイン 249cc。TZR250R SPベースの量販モデルとしてラインナップされた乾式クラッチ採用モデル。ミッションはスタンダード仕様。93年モデルではテールカウルのゼッケン部分が黄色から白に変更されており、倒立フォークのアウターがゴールドアルマイト仕上げとされている。スイングアームピボットにベアリングを採用しグレードアップが図られている。また93年モデルではメーカー自主規制馬力が45psから40psに下げられ、エンジンスペックは40.0ps/8500rpm、3.6kg*m/7000rpmとなっている。F110/70-17、R150/60-17。


TZR250R SP (1993)

  水冷2stクランクケースリードバルブ 90度Vツイン 249cc。TZR250Rのスポーツプロダクションバージョン。特別装備として乾式クラッチ、クロスミッション、大型ラジエータ、専用シリンダとクランク、フルアジャスタブルFフォーク、カラー圧入式ホイール、クイックファスナー使用のアンダーカウルを採用。93年モデルはレースレギュレーションの変更によりキャブレタ口径が小径化され92年モデルのTM36SSからTM32SSへ変更されている。メーカー自主規制値の下げられた93年のエンジンスペックは40.0ps/9000rpm、3.5kg*m/7500rpm。サイレンサが長くなっているが、これは騒音対策としてサイレンサが構造変更され92年の2段膨張式から3段膨張式に変更されたため。Fフォークは初期作動性の向上を目して、ばね、減衰とも見直されている。F110/70-17、R150/60-17、中空3本スポークのキャストホイール+トリプルディスクブレーキ。ピリオンシートにはシートカウルを装備。このSPをベースに通常ラインナップモデルTZR250R RSが用意されている。


TZR250R RS (1994)

  水冷2stクランクケースリードバルブ 90度Vツイン 249cc。94年RSモデルはアルミデルタボックスフレームとガルウイング型スイングアームをTZ250と同じ仕様とする。これまでのRS同様、乾式クラッチにノーマルミッションの組み合わせ。エンジンスペックは40.0ps/9000rpm、3.5kg*m/7500rpmと変わらず。スイングアームには4時間耐久レースを考慮してワンタッチチェーンプラーを装備している。


TZR250R SP (1994)

  水冷2stクランクケースリードバルブ 90度Vツイン 249cc。94年のSPモデルは93年モデルから基本的に変更はない。