YAMAHA - F


F-5 (1968)/F-5C (1968)/50 F-5D (1969)/50 F-5DC (1969)/F-5DE (1969)/F-5S (1968)/FS-1 (1969)/FS1-C (1976)/FS-1 50DX (1980)/FS50 (1970)/FS80SE (1981)/Mini FT50 (1970)/FX50 (1972)


F-5 (1968)

  空冷2stロータリーディスクバルブシングル 50cc。この時期ヤマハはビジネスモデルとして様々な排気量を用意している。90cc/H-3、80cc/G-5、60cc/J-5、50cc/F-5がそのラインナップ。7字型のサイドビューを持つプレスバックボーンフレーム、7ボーンフレームにシングルエンジンの基本構成は共通。F-5はスクランブラーF-5C (1968)やライトスポーツF-5S (1968)などのバリエーション展開された。


F-5C (1968)

 空冷2stロータリーディスクバルブシングル 50cc。ビジネスモデルF-5 (1968)をスクランブラー風に仕立てたバリエーションモデル。6.8Lと大型化されたタンク、セミアップマフラー、バー付アップハンドル、セミロングシート、浅いFフェンダーを装備。チェーンケースはフルカバードからハーフタイプに変更されている。公称最高速度80km/h。


50 F-5D (1969)

 空冷2stロータリーディスクバルブシングル 49cc。F-5 (1968)ベースのビジネスモデル。1969年はF-5がFS-1 (1969)へモデルチェンジを受けたのに伴って、そのニューエンジン搭載の変更を受けた。公称最高速度80km/h。


50 F-5DC (1969)

 空冷2stロータリーディスクバルブシングル 49cc。F-5 (1968)ベースのスクランブラーモデルF-5C (1968)の後継車として1969年発表。同年F-5がFS-1 (1969)へモデルチェンジを受けたのに伴っての変更であり、エンジンはFS-1の新型パワーユニットを搭載する。セミアップのエキパイも共通。公称最高速度85km/h。


F-5DE (1969)

 空冷2stロータリーディスクバルブシングル 49cc。F-5 (1968)ベースのビジネスモデルF-5D (1969)のセルモーター装備バージョン。1969年はF-5がFS-1 (1969)へモデルチェンジを受けたのに伴って、そのニューエンジン搭載の変更を受けた。公称最高速度80km/h。


F-5S (1968)

 空冷2stロータリーディスクバルブシングル 50cc。ビジネスモデルF-5 (1968)をベースにしたライトスポーツモデル。セミアップマフラーとセミロングシート、ツートンカラー以外は基本的にF-5から変更無し。チェーンケースもフルカバードのまま。同じF-5のバリエーションモデルF-5Cもセミアップのマフラーだが後端を絞ったF-5Cに比べてF-5Sはメガホンタイプのもの。


Sport FS-1 (1969)

 空冷2stロータリーディスクバルブシングル 49cc。F-5S (1968)は1969年、よりスポーティにモデルチェンジ。ロングタンク、レーサータイプのシングルシートと小さなテールカウル、カラフルに塗装されたプレスバックボーンフレームの車体に一文字ハンドルを装備。エンジンは新開発されミッションは5速のクロスレシオ。マフラーはセミアップタイプで、このエンジンは後にYB50に流用された。ホイールは前後17インチ。公証最高速度95km/h。翌1970年にFS50にマイナーチェンジ。


Sport FS50 (1970)

 空冷2stロータリーディスクバルブシングル 49cc。FS-1 (1969)は1970年マイナーチェンジを受けFS50に名称変更。一文字ハンドルはセミアップに換装され、これにともないメーターを変更。プレスバックボーンのフレーム部分はブラックアウトされ、排気管形状も見直されている。シートも若干変更を受けており、そのほかFフォークサイドに反射板を追加。基本スペックに変更はない。公称最高速度95km/h。1972年にFX50へフルモデルチェンジ。


FS1-C (1976)

 空冷2stロータリーディスクバルブシングル 49cc。FS-1の輸出モデル。エンジン、デザインは76年モデルでも大きな変更はない。エキパイはダウンタイプ。テールカウルはなく、ロングシートが付く。タンデム可能でスイングアームにはタンデムステップが設置される(FS-1のスイングアームにはこのための穴が開いている)。テールライトステーの造形、ハンドル位置などが国内モデルとは異なっており、出力は4.8ps/7000rpm、0.52kg*m/6000rpmでミッションは4速。フランス向けモデルでは大きなステップペグとフロントドラムブレーキを装備、76年モデルではタンクにストロボラインが入る。他国仕様ではフロントディスクブレーキの仕様も存在する。


FS-1 50DX (1980)

 空冷2stロータリーディスクバルブシングル 49cc。輸出車。プレスバックボーンフレーム+前傾シリンダの構成でダウンチューブがボルトオンされている。FS-1 (1969)系列の車で基本構成はFS1-C (1976)と同様。マフラーはダウンタイプ。2.75ps/5800rpm。前後2.50-17のスポークホイールでフロントシングルディスク。Rフェンダーにテールの灯火類をマウントする。


FS80SE (1981)

 空冷2stロータリーディスクバルブシングル 79cc。輸出車。プレスバックボーンフレーム+前傾シリンダシングルエンジン。FS-1 50DX (1980)をベースとしたモデルで、エンジンをスープアップし、ミニアメリカン仕立ての車体に搭載する。プルバックハンドルに段付シートを装備し、寝かしたFフォークには2.50-19サイズのスポークホイールにドラムブレーキ。後輪は3.00-16サイズで支持方式はプレススイングアーム+2本ショック。ダブルシート後方にはスチール製のタンデムグリップも装備。前後フェンダーはメッキ仕上げ。6.3ps/6000rpm、0.79kg*m/4000rpmでミッションはロータリー式の4速。


Mini FT50 (1970)

 空冷2stロータリーディスクバルブシングル 49cc。DT-1 (1968)を前後15インチまでスケールダウンした元祖ミニトレ。鋼管クレードルのフレームを採用。エンジンはFS50系でミッションは4速。公称最高速度70km/h。翌1971年発表の60ccモデル JT60-IIが人気車となり、いわゆるミニトレというとそちらを指すことが多い。その後1972年にミニトレは50ccクラスと80ccクラスにわかれ名称をGTに統一される。


Sport FX50 (1972)

 空冷2stピストンリードバルブシングル 49cc。FS50 (1970)より1972年モデルチェンジ。ビジネスモデルベースだったエンジンは新たに7ポートピストンリードバルブ(トルクインダクションモデルといわれた)となり、これを鋼管ダブルクレードルのフレームに搭載した。エンジンスペックは6.3ps/9500rpm、0.5kg*m/8500rpm。ミッションは5速。シート後方にはテールカウルを備え、またRフェンダーは水平に伸ばされたデザインとしてスポーツを強調した。前後ホイールは2.50-17サイズのスポークホイール。公称最高速度95km/h。このFXの車体をオフにアレンジしたMR50 (1972)も同時に発売。このエンジンは1972年にGTシリーズとなったミニトレエンジンのベースともなった。1974年にヤマハが行ったラインナップ整理によりRD50 (1974)へと改称、マイナーチェンジを受ける。